お大師様の言葉|自然の中に身を置くと無垢になれる

自然の中に身を置くと無垢になれる

お大師様の言葉|自然界に身を置くと無垢になれる

澗水一杯朝に命を支え、山霞一咽夕に神を谷う/性霊集

 

読み方|かんすい いっぱい あしたに いのちをささえ、さんかいちえん ゆうべに しんを やしなう

 

自然の中で無垢な魂に戻る

 

意訳:朝は谷川の水で命をつなぎ、夕方には、山の霞を胸いっぱいに吸い込んで、英気を養います。自然の中にいてこそ、生きる喜びを感じることができるのです。

 

背景

 

お大師様と親交が厚かった人に、良岑安世(よしみねのやすよ)という人がいます。
桓武天皇の息子として生まれながら、母の身分が低かったため、「親王」とはならず家臣に下った人ですが、類まれなる才能の持ち主でした。

 

その良岑安世から、高野山にこもるお大師様宛に、手紙が届きます。
都へ戻るよう、催促するものでした。

 

「なぜ、都に降りてきてくださらないのか。それでは、せっかくのお力が役にたちません。山に何の楽しみがあるというのですか?」。

 

これに対して答えたのが、このお大師様の言葉でした。
「自然の中にいてこそ、生きる喜びを感じることができるのです」と。

 

参考図書:生き方が変わる!空海黄金の言葉 名取芳彦監修、宮下真著 長岡書店刊


四国お遍路は無垢な自分に戻る旅

当サイトの管理人は、四国お遍路がきっかけで、うつが治った人のひとりです。
正直、始めるまでは、これでうつが治るとは思ってはいませんでした。

 

気持ちが少しでも楽になればいい。
そういう軽い気持ちで始めたのが、正直なところです。

 

でも、結果的に、お遍路でうつが治ってしまった。
では、なぜ、お遍路でうつが治ったのか?

 

その理由はいくつもあげられますが、
そのひとつが、「四国の自然」でした。

 

まだ、うつうつしていたときに訪れた、最初の難所。
12番焼山寺の衝撃は、今でもリアルに思い出せます。

 

険しい山道、手に汗にぎるような坂道。
途中、霧まで出てきて、2m先も見えなくなったり。
雨まで降ってきて、昼間なのに、真っ暗にもなりました。

 

この瞬間に、うつのことなど、キレイさっぱり頭の中から消えて、
「とにかく前に進むのだ」。
ただ、それだけしか考えていない自分に、後から驚いたり。

 

徳島を抜けて、ひたすら長い海岸線を走った後に、
室戸岬から、海に沈む夕日を眺めたことだとか…。

 

お遍路の最中はずっと。
いつもの場所で、いつものように悩んでいた自分が、
どこかに消え去ってしまいました。

 

お大師様は、「自然の中で生きることが喜びなのだ」と言いましたが、
確かに、自然界という場所は、「悩みから自分を解き放てる最高の場所」なのかもしれません。

 

四国お遍路は、「人間の力が及ばない自然の力」を感じることができる行程です。
あまりにも偉大なものの前で、人間は、自分の無力を感じる。

 

ある意味、「はじめから自分は無力なのだ」という事実にも気づきます。
そうなると、「うつの無力感」など小さく感じてくるから不思議なものです。

 

もし、いま「自分を変えたい」と思えたら、四国お遍路への行き時かもしれません。
ただただ「前へ進む道」が、いつしか「自分の人生」を前に進ませる道になれるかもしれません。


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お大師様の言葉|「自分だけ不運だ」という思い込みをやめること
如来は実に平等にして、悲心普ねからずということなし。 /「五部陀羅尼問答偈賛宗秘論」 読み方:にょらいはじつにびょうどうにして、ひしんあまねからずということなし。 救いの光は誰にでも注がれている 意訳>如来はこの世の全てに平等で、その慈悲の心は、あまねく全てにいきわたっています。それは、太陽の光と同じ。誰にでも平等に降り注いでいるのが、如来の慈悲なのです。
お大師様の言葉|世界に無駄なものは1つもない
医王の目には途に触れてみな薬なり、解宝の人は鉱石を宝と見る。 /『般若心経秘鍵』 世界に無駄なものは1つもない 意訳:優れた医者の目には、道端の雑草もみな薬草に見えます。宝石がわかる人には、ただの石の塊にも宝を見出します。
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