西国33カ所体験記|2回目|2番紀三井寺・3番粉河寺

西国33カ所体験記|2回目|2番紀三井寺・3番粉河寺

西国33カ所体験記|2回目|2番紀三井寺・3番粉河寺

2回目の西国33カ所巡り。今回は、日帰りで2番から始めます。
もし、1番からそのまま移動していたら、青岸渡寺→紀三井寺までの距離は、約165キロ。
車移動でも、それなりの距離があります。

 

四国お遍路の場合、一番距離が離れていたのは、37番岩本寺→38番金剛福寺。
この移動距離で約83キロくらいでしたから、西国の1→2番は、その倍は離れていることになります。もし歩きお遍路をすると、いったいどのくらいの日数がかかるんでしょう? これは余談。

 

さて、西国を廻る上で、何となく決めたことがあります。それは、「とにかく楽しむこと」。それは、お寺以外も含みます。

 

西国の札所周辺は、本当に観光名所や温泉が多いという事実に直面し、せっかくなら、行きたいところには立ち寄ろうというスタイルです。
人それぞれの巡礼の旅。そのうち、また違うことを始めるかもしれませんが、今はこれでいいと感じています。※2016年11月


2番札所 紀三井寺(金剛宝寺) 11:25

9時過ぎに大阪府内を出発して、約2時間ちょいで到着。

 

 

入り口近くのコインパーキングに駐車して、正面の山門に到着しました。
※ちなみにコインパーキングは30分100円です。

 

 

紀三井寺は拝観料が必要な札所で、大人200円が必要です。これを購入すると、チケットとちょっとしたガイド冊子がもらえます。

 

 

立派な赤い山門前には、紀三井寺のいわれが書かれた看板もあります。

 

 

山門をくぐると、結構な段数がある階段です。四国お遍路のお寺も、ものすごい階段がある札所がいくつもありましたが、ここも負けていません。

 

 

和歌山の有名な歴史上の人物、紀伊国屋文左衛門の逸話があって、「結縁坂」というそうです。
この結縁坂の左右には、ところどころに色々なものがあります。

 

 

階段の最下段、左側には「波切不動尊」。お大師様が唐から帰国したときに、荒波から船を救ったという仏様です。

 

 

これは、階段を数段登ったところにある「三井水」。日本の百名水の1つだそう。

 

 

階段の中腹には、「身代わり大師」。四国でも、いくつか見かけた記憶があります。

 

 

それにしても、紀三井寺は真言宗のお寺ではないのに、お大師様っぽいものをいっぱい見かけますね。不思議です。

 

 

ここまで来ると、もう一息。それにしても、総階段数、何段あるんでしょう??(後からガイドブックを読んだら231段あるとわかりました)

 

 

何とか登りきると、目の前に現れるのが「六角堂」です。これを左に行くと、本堂。右に行くと、特別拝観できる「大千手観音像」のお堂です。
もちろん、最初は本堂へ。

 

 

広い敷地の中にある、立派な本堂が見えてきます。

 

 

七五三の幟旗と一緒にあるのは、「徳川吉宗公将軍就任300年」の旗。さすが、元紀州徳川藩の和歌山のお寺です。

 

 

金剛宝寺は、寺伝によれば奈良時代(宝亀元年(770年)の創建。
この本堂は、1759年に建立されたもので…云々。本堂の解説看板もちゃんとあります。

 

 

それにしても、不思議なのは「ろうそく」と「お線香」のこと。四国お遍路経験者としては、この2つは常時持参しておりますが…

 

 

基本的に、お寺で「ろうそく線香セット」が売られていて、これ以外を使ってる人を見かけません。
別に、持参したものを使用してもよいのだと思いますが、とりあえずコレを100円投入して、利用しました。

 

ろうそくに字が書かれていて、好きなものを選べる仕組み。
「南無大師遍照金剛」があることにも、また驚きです。

 

 

西国は、観音様を巡る旅らしいので、ロウソクは「南無観世音菩薩」を選びました。

 

 

本堂の前で参拝しましたが、有料で中に入れる模様。200円支払って、中に入ってみます。
仏様を直接拝見できるのと、色々な展示物を見ることができました。

 

 

さて、本堂内にある納経所で御朱印を頂いて、庭に出ます。※納経料は、四国同様300円。

 

 

紀三井寺の名物、和歌の浦の眺め。

 

 

こんな風に海が見えるのって、なんかいいですね。

 

 

ご神木を眺めるのも、何となく癒されます。
そんなこんなで、お庭を堪能して向かったのは、先ほどの黄金の仏像があるお堂です。

 

 

こちらの中に入ると、インパクト大の黄金仏様。

 

 

とにかく大きくて、キラキラした「大千手十一面観世音菩薩像」。
高さ12m、重さ30トンもあるそうです。

 

 

ちゃんとご真言も掲示されています。
おん ばさら たらま きりく ×3回、小声で唱えました。

 

 

元来た道を、テクテク戻ります。
上かた見た、結縁坂。なかなかの眺めでした。さて!次は、寄り道します。

 

 

 

 

 

藤の森不動温泉 だるま湯 13:10

 

寄り道先は、「富士の森不動温泉だるま湯」です。和歌山の山間部にある温泉で、紀三井寺から見ると、高野山の方向に走ります。
約30キロほどですが、結構な山道を走るので、1時間近くかかりました。

 

 

山あいの渓流沿いにある「だるま湯」です。アトピーに薬効があるといわれている温泉で、全国から湯治湯に来る人がいるそうです。
私はアトピーではないんですが、薬効がある温泉というのに惹かれて、一度来てみたいなぁと思っていた場所です。

 

ローカル感、秘湯感ハンパない印象の建物ですが、味があるといえばあるかも…。
とりあえず、ランチ時間内だったので、渓流が見える食堂で、ご飯を頂きました。

 

 

そういえば、この温泉は「橋の工事中」に偶然、湧き湯に遭遇したのだとか。
この川にかかっている橋のどこかの場所かな?

 

 

紅葉の季節は、なかなかいい感じです。

 

さて、温泉。なんと露天には誰もいなかったので、1枚だけパチリとさせて頂きました。

 

 

お湯の感じは、まろやかな感じ。内湯も露天も、40℃くらいで少々ぬるめ。
皮膚にいいらしいですが、自分の肌ではよくわからなかったです。温泉につきものの、消毒臭がないのはよかったかな?!
とりあえず、入れたというだけで満足です。

 

さて! 巡礼に戻らねば! ここからは、山間部トンネルのあるバイパスを使って移動します。

3番札所 粉河寺 15:40 

 

↑グーグルルートでは右経路になっていますが、実際は、左ルートで行きました。
私のカーナビが左ばかり示すので、もうそれでいいか!という感じの選択。ほんとはどっちがいいのか、よくわかりません。

 

さて、35キロほどの移動で、約1時間10分ほどで到着。粉河寺です。

 

 

とにかく立派過ぎて…呆然。
ちょうどここに続く直線道路からも、この朱塗りの山門が見えて、あまりの立派さに、ただただ驚くばかり。

 

途中にもたくさん駐車場がありましたが、この門の右脇にある道路を通り抜けると、お寺内の駐車場に行けます。
※この写真は車を降りてから、戻って撮りました。

 

 

ちなみに、駐車料金は500円。事務員さんがいなかったので、近くにあるお土産物屋さんで、帰りに支払います。

 

 

ここのおばさんが、店で売ってるミカンを1個くれました。試食だと思われますが、何だかお接待みたいでうれしかったな。
しかも、美味しかったんで、帰りに買いました。ちなみに300円でどっさり。意外とお買い得です。余談。

 

 

それにしても…メチャクチャ大きなお寺です。
何でも、西国33か寺の中で、一番敷地が広いそうな…。

 

 

あまりに広いせいか、境内案内図の大看板まであります。
本堂の近くにいく途中にも、いろいろな建物がありました。

 

 

仏足石。四国の札所にも、いっぱいありますよね。

 

 

出現池。ご本尊の「千手観音」の化身、竜男大士が柳の枝を手に、白馬に乗ってこの池から出現したそうです。

 

 

この池の格子戸からのぞける像(竜男大士?)が、すごく美人で惚れました。

 

 

あちこち眺めてるうちに、本堂が見えてきました。ほんと、ここ広いですね。

 

 

手水場で清めてから、いざ!本堂へ。

 

 

中門。

 

 

この中門の上にかかっえる「風猛山」の文字は、紀州徳川家10代藩主 治宝侯の直筆だそうな。
ここを通り抜けた先にあるお庭は、実に見どころいっぱいなんですが、まずは本堂へ。

 

 

なんて、立派なんでしょう…。
基本的な部分で、四国お遍路が身に沁みついているので、あんまり立派なお寺だと驚き度がハンパなくなります。
いえ、もちろん四国にもものすごく立派な札所はいっぱいあったんですけど、何だか雰囲気が違う気がします。

 

 

ご本尊は、絶対永久秘仏の千手千眼観世音菩薩さま。本堂の地中にあるのだそうな…。
地中にある!?って、初体験です。見れないので、よくわからないですけど、こういうご本尊様って今までなかった気がします。

 

 

秘仏なので、当然のぞき見もできないわけですが、とにかくお参りします。
ここでも、ロウソク・線香セットは販売ものを利用。

 

ロウソクをともしてから、本堂前で真言だけ唱えました。実は、四国お遍路のようには、経文を全文唱えていません。
もちろん、まじめに参拝していますが、自分の中の西国巡礼は、四国お遍路とは何かが違うのだと思います。

 

本堂内にある納経所で御朱印を頂いて、くるりと向きを変えるとこんな感じです。

 

 

何度見ても、広くて立派です。このお庭が実に楽しくて、かなり長居してしまいました。
では、さっそく!お庭にあった素敵なものシリーズを。

 

 

粉河寺庭園。桃山時代の石庭。

 

 

これも同じ。

 

 

とってもキレイな紅葉。

 

 

紅葉する落葉樹の中でも、もみじが一番好きです。これは、ホントに美人さん。

 

 

美人さんなもみじが多くて、うれしくなります。

 

 

黄色い子もキレイです。

 

 

この夕方の時間帯は、夕日の光がキレイにあたって、余計見ごたえありますね。

 

 

夕日に映える境内をもう一度見まわして、帰ると致しましょう。

 

 

そうそう。さっきの山門は、この後寄ったんですが、この門を通り抜けた右手に、こんなスゴイご神木がありました。

 

 

なんと、樹齢1000年超え。焼山寺でみた、ドデカイ杉の木より太いです。

 

 

近寄って撮ると、こんな感じ。コンパクトカー1台くらいはすっぽり、おさまりそうなほどの根元の太さ。
「ご神木に触るといいですよ」的なことが書いてあったので、ここをナデナデしてきました。
すごく心に残るご神木様です。粉河寺に来たら、寄ってみてください。

 

さて!これで粉河寺の参拝は終わり。先ほどの土産物店で駐車料金を支払い、ミカン+柿を買って退散です。
ほんとは、もう1か所くらいいけるかな?と四国のノリで妄想してましたが、4番はすごい階段があるみたいで、日没には到底間に合わない。
なので! 次回に回すことにしました。

 

四国と西国の印象の違い

 

まだ3か所しか回っていませんが、西国と四国の違いを色々感じつつの旅路。例えていうなら、西国巡礼は「みやびやかで華麗」な感じがします。

 

西国巡礼の札所は全部観音様。観音様といえば、なくなったときに迎えにこられる仏様だといいますから、「極楽浄土が美しくて華麗なところだよ」というのを具現化しようとしてるのかな?と推察しました。

 

四国お遍路が、悟りへの道と考えると、四国は修業。現世で仏になれるのが真言宗の教えです。
西国は、慈悲と癒し? あの世ですくわれることを願う巡礼なのかな。

 

何だか色々書きましたが、まだ3か所目でした。とはいえ、感じたことを都度都度書き残しながら、33か所ぼちぼちいきたいと思います。

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