四国お遍路がうつに効く理由

四国お遍路の「区切り打ち」を始めて、2か月で減薬開始、6か月後に断薬。そして、うつを寛解させた当サイトの管理人の体験です。

四国お遍路がうつに効くのは、自分の心の中で起こる変化に理由があります。

まず、「自分を変えたい」と思ってお遍路に行こうと思った瞬間に、「受け身の自分」から「自分の意思で動く自分」に変わります。

「お寺のご利益を頂く＝他力本願」ではなく、「自分を変えるために動く＝自力で希望を叶える」ことが、起こす変化です。

そして、実際にお寺を廻り始めると、出口のない悩みのループから、解き放たれた感覚が訪れます。

以下、お遍路中に起こる「心の変化」について、ご紹介します。

悩みのループから解き放たれる

「どうやって参拝すればいいのだろう？」
「次のお寺へ行く道はこれであってるのだろうか？」
お寺からお寺へと道をたどっていると、とにかく余計な悩みを考えている暇がなくなります。

あれほど、頭を埋め尽くしていた悩みが、道中ほとんど出てこなくなります。

うつで悩んでいる方なら、この悩みから解き放たれる瞬間が少しでもあることが、どれほどすごいことなのか、お分かりいただけるのではないでしょうか。

自分はひとりじゃないと思える

この世界にひとりぼっち。誰も自分の苦しみを理解してくれない。うつになると、こう思うことが格段に増えてしまいます。

でも、四国お遍路のお寺を廻り始めると、自分と同じように白装束に身を包んだ人々が、一心不乱にお経をとなえる光景を目の当たりにします。

自分以外の人は全員幸せそうに見えていた世界が、実はそうではなく、みんな何かの悩みを抱えて一生懸命生きているのかもしれない。

参拝する人が全員そうだとは思わないけれど、何か強い動機があるからこそ、ここにいる。ひとりじゃないという感覚が、少しずつ湧き上がってきます。

四国の人々の温かさにふれる

お遍路さんを温かく受け入れてきた四国の人々の優しさを感じることがあります。

お寺にある「接待所」でお茶を頂いたり、歩きお遍路の場合は、道中でいろいろなものを頂くこともあります。お遍路さんを大事にしてくれる「お接待」と呼ばれる習慣です。

うつになると、人と関わることが怖くてたまらなくなってしまいますが、ここで触れる人の温かさは、そんな心を少しずつ解きほぐしてくれます。

四国の山と海が癒してくれる

お遍路の道中は、山あり谷あり。とてつもなく長い海岸線をひたすら進む場所もあります。

見えるのは、深い森。大きな木。鳥の声。太陽の光を浴びてキラキラ輝く海。波の音。

人は自然に触れると、心が癒されるといいますが、お遍路の道中では、まさにその癒しの感覚を満喫することができます。

うつになって初めて味わえる達成感

うつになると、「何かをやりとげる達成感」というものをほとんど感じることができなくなります。

「何かしなければ」と思うのに、やりたいと思えない、やっても失敗するに違いない。そんな思いが蔓延して、毎日が苦痛でたまりません。

自分の意思で始めたお遍路では、最初の「やらされている」という感覚はまずありませんから、1か所お寺を廻れただけでも「達成感」を味わうことができます。

「ここまで来れて偉いぞ、自分！」と、自分をほめてあげることもできます。自分を肯定することがほとんどなかった日常生活では味わえない感覚です。

自分の意思が自分を変える

お遍路は、ものすごい山道を登ることもありますし、気が遠くなるほどの距離を進むときもあります。決して、全てが楽しい道中ではありません。

なんでお遍路してるんだろう？と思うこともあるかもしれません。でも、この身体的に「キツイ」と思う経験もあることこそが、頭と身体の両方に「人生の楽しさと苦しさ」を納得させてくれます。

「机上の空論」という言葉がありますが、「頭だけで考えていても、現実は変わらない」「動いてこそ初めて、納得できる」ことがあるのだと思います。

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