西国33カ所体験記|4回目|6番〜9番札所(奈良県内)
西国33カ所の4回目。
基本的に、日帰りの区切り打ちをしているため、4回目にして、ようやく奈良県内へ。
今回は、6番〜9番札所の4か所参拝です。
ちょうど、この4か所は全部奈良県内。
奈良の札所はこれだけなので、今回の1回で奈良県は終わり。今回も意外と山寺が多い参拝となりました。
※2017年3月訪問。
6番札所「南法華寺」(壷阪寺) 10:30
高取山の中腹にある「南法華寺」。通称「壷阪寺」。
奈良県内に入って、最初の札所です。
ここは、お寺の入り口横まで、車で行くことができます。
(※駐車場代500円)
早速、拝観料(600円)を払って寺内へ。
それにしても、余談ですが、西国の札所は拝観料が必要な寺院が多くて驚きます。
四国お遍路の場合、確かそういうお寺は1つもなかった気が…。
各地の名跡になっているお寺が多いせいかもしれません。
大講堂がある道をしばらく歩くと、階段。
そこを登ると、仁王門が出てきます。
このお寺は「眼病封じの観音様」で有名だそうで、敷地内に、日本で初めての盲老人施設がありました。
とにかく広くてビックリする境内。大きな石仏もたくさんあります。
昭和になってからつくられた石仏も多いそうで、どことなく異国の香り。
なんでも、インドとの交流が深く、そのご縁であちこちにインド風の石仏を見ることができます。
大講堂がある道をしばらく歩くと、階段。
そこを登ると、仁王門が出てきます。
本堂がある場所へ続く階段。
この仁王門に似た建物の中には、お釈迦様の一生を描いた絵画も。
建物内を、通り抜けするしくみは実に珍しい。
ものすごく古そうな三重塔。室町時代に建立されたそうで、重要文化財。
ここの横を歩いていくと、本堂です。
靴を脱いで本堂の中に入ると、とても立派な空間。
この奥に、ご本尊様の「十一面千手千眼観音様」がいらっしゃいます。
とても迫力のある観音さまで、目の前で拝むことができます。
この観音様を中心に、お堂内部をぐるりと回ることができました。
ちょうど真裏に、お大師様の像もあって、びっくり。
ここは、真言宗のお寺だそうで、なるほど感がありました。
納経所でご朱印を頂いて、外へ出ると、浄瑠璃で有名な「壺阪霊験記」の夫婦像があります。
このほかにも、このお寺は見るところが山ほど!!
約20mあるという、天竺渡来大観音像。
3分ほど歩いた、小高い山の上にあります。
巨大な涅槃像も。
そして、一番驚いたのがこちら。
東南アジア方面の仏教遺跡にありそうな、建物。
この中に入ると、、、
まさに、異国の空間。これは驚きでした。
そんなこんなで、見どころがありすぎて、たっぷり1時間も滞在してしまった。
今日中に奈良県内の札所へいかねば!と思っていたので、とりあえず次へ急ぎます。
キトラ古墳 11:45
次へいかねば・・と移動している途中、たまたま「キトラ古墳」に遭遇。
この周辺は、飛鳥時代の古墳群!!
いったん通り過ぎたものの、そうそう来ることはないだろう・・と思い直し、引き返しました。
とても広い敷地に、驚くほど立派な建物。
キトラ古墳の展示館があります。国立施設のようです。
驚いたことに、全部無料!!
中で上映されていた、キトラ古墳発掘のショートムービーまで見てしまった。
なかなか見ごたえがありました。
この展示室の真上には、本物のあの壁画が保管されている場所があり、そこも観ることができます。(壁画自体は見れないけれど)
何だかとても満足度の高い施設です。西国の途中で、立ち寄るのもおすすめ!
ココを後にすると、すぐ今度は「高松塚古墳」も遭遇!ここは、断念しましたが、歴史好きな人にはたまらないエリアですね。
6番から7番の移動中に、2つの古墳。知らずに遭遇して驚きました。
7番札所 岡寺 12:40
7番札所は、「岡寺」です。
ここの駐車場は、ほんとにわかりにくかった。
カーナビの誘導でいくと、徒歩コースのほうの道に誘導されてしまい、細い道を潜り抜けている間に、看板を頼りにようやく駐車場へ。
ここも、500円の駐車代金がかかります。管理人のおじさんが出てくるので、そこで支払います。
車の人たちは、駐車場の上にある通路から、お寺へ行けます。
しぶい外観。
ここも、とても立派な札所です。拝観料は300円。
またちょっとした階段を上ると、本堂がありました。
こちらのご本尊様も、立派な観音様で、現存する日本最大の塑像(土でできた仏像)だそうです。
しかも、お遍路経験者にとっては「おおっ!?」と思う、お大師様ゆかりの仏さま。
「約1200年前に、お大師様が、インド・中国・日本の3か国の土をもとに作ったといわれている」そうです。
ここも、真言宗のお寺。(豊山派)
大師堂のような、お大師様のお堂もありました。
お大師様を見ると、光明真言をとなえたくなります。
33カ所では、あまり読経している人がいないので、口の中でもごもご唱えてきました。
小ぶりの三重塔が、意外と可愛かった。
ここから見える、お寺の外観。なかなか良い雰囲気です。
さて! 次へいきましょうか。お昼どきだけど、お腹がすかないので、ランチはすっとばします。
8番札所 「長谷寺」 13:40
次は、長谷寺へ!! 有名なお寺ですが、初体験です。
一山、全部お寺というほど、大きな札所です。
それもそのはず、「真言主豊山派総本山」。
この門の前には、なかなか風情のよいお土産物街がありました。
駐車場は、お寺の横にあります。駐車場代は500円でした。
また、拝観料は500円。たまたま、ご本尊様の特別拝観期間中で、これを追加すると1300円。
せっかくなので、特別拝観付きのものを購入。
めちゃくちゃ余談ですが、今回現金を6000円弱ほどしかもっておらず、この段階で残り1000円くらいの残金で、大ピンチ。
納経料の300円は問題ないとして、心細いふところ具合で、びびりました。
銀行も郵便局も、コンビニも見当たらないし、もし、途中でランチしていたら、お金がないところでした。危ない、危ない!
※この後、移動中にコンビニでおろそうと思ったものの、山中の道路で、そんなものなど一切なし。
奈良市内に入ってようやく、何とかなるという感じで、ちょっと大変でした。
西国33カ所は、拝観料や駐車場代で、もれなく1か所あたり1000円以上はかかるので、事前にちゃんと現金をもっておかないとピンチになります。
余談でした。
気を取り直して、本堂を目指します。
すごく立派な回廊です。これが、延々と続くわけですが、登っていても楽しい!!
きれいだなぁ。
桜が咲くころにきたら、メチャクチャきれいな気がします。
(このとき、ちょうどつぼみが膨らんでるくらいの時期でした)
それにしても、意外と、距離ありますね・・・(ぜぇぜぇしてきます)
なんとか、登り切ると、すぐ本堂!!
ものすごく大きくて、立派な観音様がいらっしゃいました。
撮影禁止と書かれていたので、写真は撮れず、ちょっと残念。
この本堂内にある、能舞台のような場所。すごくキレイ。
これは、びっくり!! 清水寺にあるのと似てますね。
この後は、特別拝観の入り口へ行きます。
結縁の五色線をいただきました。
特別拝観では、本堂からも見える観音様の足元まで行くことができます。
その足を触って拝むことができるんですが、足の部分が、(みんなが触るせいか)ツルツルになってました。
なかなか、貴重な体験。特別拝観時期なら、利用するのがおすすめです。
さて、帰りは別の道から。上りは大変でも、帰りは楽ちんです。
これが、長谷寺の門前町。いろいろ美味しそうなものがあったんだけど・・・なんせ、現金ナシ子ちゃんなので我慢。コンビニを探しつつ、9番へ向かいます。
9番札所 興福寺 南円堂 15:50
8→9番は、約30キロほど。
山道が長い上に、カーナビでいくと、おかしな小道に入り込んでしまった。
驚きつつも、なんとか、奈良市内に入り、コンビニを見つけてお金をおろせました。よかった。
さて!9番札所は・・・ なんと、奈良公園の中にありました。
今回、事前に、あまり調べてこなかったので、ここについてから驚くという感じで、ちょっと反省。
奈良公園なだけあって、駐車場代がバカ高くて、これまた驚き。
開いていただけましですが、興福寺横の駐車場で、1000円(17時まで)です。
拝観料がいらないので、ほかのお寺と同じようなもんかな??
とっても大きな五重塔。これを左手に観ながら直進すると、南円堂があります。
お坊さんに遭遇しちゃった。絵になります。
意外とこじんまりしたお堂で、ろうそくと線香をあげました。
今日いきたかった、奈良県内の札所はこれで終了!
久しぶりに、鹿でも見て帰ろう!!
それにしても、どこにでもいっぱいいますね、鹿。
おせんべいをあげると、おじぎするって、ほんまやったんや〜と感心しました。
外国人観光客のカップルさんが、鹿と一緒に一生懸命おじぎをしていたのが、可愛かった。
外人さんだらけ。奈良公園って、大人気なんですね。驚きましたわ。
久しぶりに東大寺や春日大社にいってもよかったんですが、駐車場の門限があるのでここで終わり!
周辺を散策したいときは、ほかのコインパーキングを見つけてゆっくりするのも手かもしれません。
これで、奈良県内終了!!
ほんとに、西国33カ所は観光名所が多い印象です。次、10番は、京都の宇治です。
また、近いうちに行く予定です。
西国6番〜9番 2017年3月30日訪問
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