四国お遍路88か寺の仏様のお話

「13仏真言」に出てくる13仏とは?

四国お遍路で出てくる「13仏」

四国お遍路の88か寺には、どのお寺にも「ご本尊」としている仏様がいらっしゃいます。

 

お遍路を始めると、最初に気づくのが、お寺によって祀られているご本尊様が違うこと。

 

そのため、読み上げるお経(仏前観経次第)は、「13仏真言」の箇所だけ、お寺のご本尊様のご真言を読むことになります。

 

「13仏真言」でいう13の仏様とは、どんな仏様なのでしょうか?簡単に解説していきましょう。


13仏信仰とは?

人間は、生まれた瞬間から、「煩悩と苦しみの中で楽土を目指す」修行の場を生きています。

 

その苦しみから人間を救うために現れるのが「仏様」で、生きている間だけではなく、死んだ後も、さまざまな仏様に出会います。

 

亡くなった方の法要が、おもに49日間あるのは何となくご存じの通り。故人は、この49日の間にも出会う仏様があり、死後の世界でも煩悩を取り除きながら楽土へと向かうと考えられています。

 

死者を弔う残された人々も、故人をしのび、仏様の徳に従って楽土を目指す一つの方法が13仏信仰と回忌行事です。

 

四国お遍路の88か寺は、88の煩悩を取り払う巡礼でもあります。
お寺を廻る度に、1つ。また1つ。
楽土へ導いて下さる仏様の徳を仰ぎながら、楽土へと歩み始めます。
13の仏様とご真言について、1つずつご紹介していきましょう。


@不動明王(ふどうみょうおう)

 

ご真言

のうまくさんまんだ ばざらだん せんだまかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん

 

不動明王がご本尊のお寺/36番、37番、45番、54番

 

恐ろしい表情で、左手には縄を持ち、右手には剣を持つ仏様が「不動明王」です。

さまざまな煩悩をまず最初に打ち砕き、邪心を遠ざけて真っ白な清い心をつくる仏様で、般若心経の眼耳鼻舌身意の6つを清める「六根清浄」を行います。
死した後、初七日の最初の法事で現れる仏様です。(初七日忌)

 

A釈迦如来(しゃかにょらい)

 

ご真言

のうまくさんまんだ ぼだなん ばく

 

釈迦如来がご本尊のお寺/1番、3番、9番、49番、73番

 

釈迦如来は、「お釈迦様」のこと。つまり、仏教を開祖した仏陀を指します。

不動明王によって心を清めた後に現れる仏様で、実際にこの世で苦難も快楽も経験したお釈迦様の導きによって、お釈迦様のように究極の涅槃至福の道を歩んでいきます。
亡くなった後、27日忌(ふたなのかき)の法要を司ります。
※27日忌…2×7=14日後の法要。

 

B文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

 

ご真言 おん あらはしゃのう

 

文殊菩薩がご本尊のお寺/31番

 

お釈迦様の持つ「智慧(ちえ)」を説くのが、「文殊菩薩」です。

文殊菩薩は、この世で「悟り」を目指す本来の目的を見失って煩悩の中に生きています。
目先の欲に負けて、大事な人やものを失わず、「智慧」の力で正しく生きていく道を指し示します。亡くなった後は、37日忌(みなのかき)に登場します。
※37日忌…3×7=21日後の法要

 

C普賢菩薩(ふげんぼさつ)

 

ご真言 おん さんまや さとばん

 

仏前観経次第では、前半の「三摩耶戒真言」に登場する真言です。仏様の「慈悲」と「理知」を施し、人々を救う仏様です。
心に「慈悲」をもつことで、心を清めお釈迦様に近づいていく修行の意味を持ち、菩提心を大きくし、涅槃の至福の世界へと導く仏様です。
亡くなった方の47日忌(よなのかき)をつかさどります。

 

※47日忌…4×7=28日後
※お釈迦様が現れるとき、左にいるのが「文殊菩薩」、右に白象に乗って座っているのが「普賢菩薩」です。世界を仏の智慧と慈悲で満たします。

 

D地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

 

ご真言 おん かかかび さんまえい そわか

 

地蔵菩薩が本尊のお寺/5番、19番、20番、25番、37番、56番

 

この世の六道(地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天上)に輪廻転生して、苦しむ衆生を救う仏様が「地蔵菩薩」です。色々な場所で見かける「お地蔵さん」は、この地蔵菩薩からきています。

 

あらゆる苦しみをその体で受け止め、二度と苦しみが来ないように守り、新たに再生するまで一緒に歩み続ける仏様です。お釈迦様が入滅してから56億7千万年後に「弥勒菩薩」が現れてこの世を救うまでの間、「地蔵菩薩」がこの世を見守り続けるといわれています。法要では、57日忌(ごなのかき)の仏様です。
※57日忌…5×7=35日後の法要

 

E弥勒菩薩(みろくぼさつ)

 

ご真言 おん まいたれいや そわか

 

弥勒菩薩がご本尊のお寺 14番

 

弥勒菩薩は、お釈迦様の次にこの世に生まれ来たる仏様です。

今はまだ「兜率天(とそつてん)」にいらっしゃって、お釈迦様がなくなってから56億7千万年後にこの世に生まれるといわれています。この世のあらゆる生きものを尊び、愛し、慈しんでくださる仏様です。
お大師様は、いまこの兜率天で弥勒菩薩と一緒にいるといわれています。亡くなってから、67日忌(むなのかき)の仏様です。
※67日忌…6×7=42日後

 

F薬師如来(やくしにょらい)

 

ご真言 おん ころころ せんだりまとうぎ そわか

 

薬師如来がご本尊のお寺
6番、11番、15番、17番、18番、22番、23番、26番、33番、34番、35番、37番、39番、40番、46番、50番、51番、59番、67番、74番、75番、76番、77番、88番

 

四国お遍路の中で、最も多く祀られているのが「薬師如来」です。

人々の病気を治しこの世を救ってくれる仏様で、薬師如来のご真言には「この世から戦争がなくなり人々が苦しむことがないように」という意味が込められているといわれています。
亡くなったあと、49日後に現れる仏様で、故人の新たな出発をつかさどります。
49日は、まだこの世にいる個人も楽土へと旅立つ日です。残された人も、故人の新たな門出を送り出し、悲しみを乗り越える日でもあります。
「77日忌(なななのかき)」といい7×7=49日後という意味です。

G観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)

 

ご真言 おん あろりきゃ そわか

 

観世音菩薩は「観自在菩薩」ともいわれ、煩悩や欲から離れて人々の悩みや苦しみを知る慈悲深い仏様です。手に蓮の花を持っているのは、その「慈悲の心」を表しています。

 

観世音菩薩は、その人に合わせた姿で現れるともいわれ、怒りに満ちた人には怒りの姿で、貪欲な人には貪欲な姿で現れます。人々は、その姿を見ることで自分の煩悩に気づき、仏様の「徳」を身に着けることができるのです。
故人を偲ぶ「百カ日忌」(100日目)の仏様です。

 

H勢至菩薩(せいしぼさつ)

 

ご真言 おん さんざんさく そわか

 

勢至菩薩(せいしぼさつ)は、「智慧」の光りで闇を撃退する強い勢いをもつ仏様です。故人の1周忌に現れる仏様で、智慧の強い力で新たな出発を助けます。

 

I阿弥陀如来(あみだにょらい)

 

ご真言 おん あみりや ていぜい からうん

 

阿弥陀如来がご本尊のお寺/2番、7番、30番、37番、47番、53番、57番、64番、68番、78番

 

悩み苦しんでいる人を救ってくださる仏様が、「阿弥陀如来」です。

心の痛みを知る人は、人の気持ちをも知ることができます。その痛めた心を慈しみ、人を思いやる心を持てる道へと誘います。
故人の三回忌(亡くなってから2年目)の法要を司ります。※3回忌以降は、年数―1年が法要の年です。

 

J阿しゅく如来(あしゅくにょらい)

 

ご真言 おん あきしゅびや うん

 

煩悩を打ち砕く不動明王が如来になったのが、「阿しゅく如来」です。修行の末に、煩悩をぬぐいさり不動の境地へ達することを意味します。
さまざまな苦しみを引き起こす欲望から自由になり、智慧と慈悲の心を大切に生きる覚悟を指し示す仏様です。
故人の7回忌(6年目)の法要を司ります。

 

K大日如来(だいにちにょらい)

 

ご真言 おん あびらうんけん ばざらたどばん

 

大日如来がご本尊のお寺/4番、28番、42番、60番、61番、72番

 

太陽の光があらゆるものを平等に照らすように、この世のすべてのものを光で照らすのが「大日如来」です。大日如来のように、一人ひとりが他人を光で包む人間として生きられるようにお祈りします。

法要では、13回忌(12年目)の仏様です。

 

「大日如来」は、お大師様の「真言密教」での最高仏です。

 

L虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

 

ご真言 のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おんありきゃ まりぼり そわか

 

虚空蔵菩薩がご本尊のお寺/12番、21番、24番

 

「虚空蔵菩薩」は、すべてを受け入れる器であり、何ものにも変えがたい宝物を生み出す仏様です。平等性智をつかさどり、人が煩悩も欲も捨て無心になることで本当に尊いものが見えてくるのを助けて下さいます。

33回忌の法要に現れ、一般的に「弔いあげ」となり個人を偲ぶ法要はこれで終わります。

 

 

四国お遍路で登場するこのほかの仏様

 

お遍路では、13仏以外のご本尊様も多く登場します。世界には8万4千の教えがあり、そのひとつひとつに仏様がいらっしゃいます。
楽土へ向かうために登場する仏様は、ほかにも無数にいらっしゃるということです。

 

千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんぼさつ)

ご真言 おん ばさら たらま きりく(そわか)

ご本尊のお寺/8番、10番、16番、29番、38番、43番、58番、66番、71番、80番、81番、82番、84番

 

聖観世音菩薩(せいかんぜおんぼさつ)

ご真言 おん あろりきゃ そわか

※13仏8番目の「観世音菩薩」と同じ真言。

ご本尊のお寺/37番、69番、83番、85番、87番

 

馬頭観世音菩薩(ばとうかんぜおんぼさつ)

ご真言 おん あみりと どはんば うん はった そわか

ご本尊のお寺 70番

 

十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)

ご真言 おん まか きゃろにきゃ そわか

ご本尊のお寺 13番、27番、32番、41番、44番、48番、52番、62番、65番、79番、86番

 

大通智勝佛(だいつうじしょうぶつ)

ご真言 おん まか びじゃな じゃなのう びいぶう そわか

ご本尊のお寺 55番

 

毘沙門天(びしゃもんてん)

ご真言 おん べいしら まんだや そわか

ご本尊のお寺 63番

 

 

 

 

 

札所によっては、複数のご本尊様も!

 

札所によっては、1つだけではなく、いくつもの仏さまが祀られているケースがあります。
例えば、高知県にある第37番札所「岩本寺」の場合、ご本尊は4つも!
その際は、それぞれのご真言をすべて唱えることになります。本堂の柱などにも、ご真言が掲げられているケースも多いので、落ち着いて唱えましょう。

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真言密教の教えの最大の特徴は、「現世利益」=「即身成仏」にあります。 これには、もちろん厳しい修行が必要ですが、「死んでからあの世で仏様になるのではなく、この世で仏様と一体になる」ことができると説いています。 「現実の世界で仏様になる」というのは、言い換えると、「現実は変えることができる」ということ。これからの心の持ちようや行動次第で、「現実は変えられる」と考えることができます。
お大師様の「真言密教」とほかの宗派の違い
お大師様(弘法大師空海)が開いた「真言密教」。 インドから中国を経て日本に伝わった、仏教は、その後さまざまな宗派が誕生しました。 真言密教も、もちろんそのひとつですが、ほかの宗派とは決定的に異なる点がいくつかあります。 四国お遍路をする上で、必ずしも必要な知識ではありませんが、知っていると「なるほど」と思うことは多いものです。 ここでは、「真言密教」について、カンタンにご紹介してみましょう。
仏様と直接つながる聖なる言葉「ご真言」
四国お遍路に行くと、どの札所でも「ご真言」を唱えます。 札所ごとのご本尊の真言はもちろん、全札所で唱える「光明真言(こうみょうしんごん)」は、何か寺も回っていると暗記できるほどです。 ところで、この真言。実際に、札所で読み上げてみると、さっぱり意味がわかりません。 何か、呪文のようにも思えるような言葉が続きます。 ご真言とは、一体何なのでしょうか?
如来、菩薩、明王とは?5種類の仏様
四国お遍路で札所を廻っていると、さまざまなご本尊様に出会います。 「菩薩」と名がついている仏さまもあれば、「如来様」という名のついたご本尊様もいらっしゃいます。 この「菩薩さま」や「如来さま」。 実は、仏さまにも色々あり、大きく分けると5種類に分けられます。ここでは、仏像の種類を解説してみましょう。
真言密教修法の基本「三密加持」とは?
四国88か寺を廻る上で、「三密加持」を行う必要はありませんが、密教のことを知り始めると、「三密加持」という文言をやたらと目にします。 「三密加持(さんみつかじ)」とは、いったい何なのでしょうか。ここでは、簡単に三密加持について、解説してみましょう。
結願の地「高野山」で叶う!瞑想「阿字観」
四国88か寺を結願した後に、お礼参りに訪れる「高野山」。 お大師様がおられる「奥の院」に参拝したら、ぜひとも体験しておきたいのが「阿字観(あじかん)」です。 「阿字観」とは、カンタンにいうと「瞑想」です。 これも修行のひとつですが、高野山では、一般の人が気軽に「阿字観」を体験することができます。
真言密教|悟りに達する段階を説いた「十住心論」
お大師様が残した「十住心論」という著作があります。 人間の心を10段階に分け、最終的に「悟りを得るまでの10のステージ」を説いています。 最終段階に至ると、仏と心が一体化し、現世で仏になる「即身成仏」に至ります。この段階まで進めるのは、「真言密教のみ」と位置づけられています。 「十住心論」は、お大師様自らが開いた「真言密教」の優位性示した書物で、「真言密教でのみ悟りに到達できる」と説いています。
お大師様自ら残した著作の数々
お大師様は、その生涯の間に、実に多くの著作を残されました。 その内容は、1200年の時を経ても、色あせることなく私たちを導いてくれます。今では、その著作をもとにした「お言葉」を書籍を通じて、たくさん知ることができます。
四国お遍路|自分を守ってくれる仏様とご縁を結ぶ「結願灌頂」
「結願」といえば、88か所全てを巡礼し終えることですが、真言宗では「結願」の名がつく仏縁儀式があります。これは、「結願灌頂(けちがんかんじょう)」と呼ばれる仏教儀式で、真言宗に正式に入信する際、真っ先に行われる儀式のこと。 誰でも、希望すれば参加することができます。
持って生まれた運命がわかる?「宿曜道」
「星供養」とは、生まれ年によって違う「宿星」を供養し、その年の安泰を祈る祈祷のこと。毎年、「節分」の時期に行われる、真言密教の行事のひとつです。 実は、真言密教には、「密教占星術」という秘法があり、これも、お大師様が唐から持ち帰り、伝えられたものです。これにも、数多くの秘法がありますが、その中のひとつ。「三九秘要法」で用いる「宿曜道(密教占星術)」は、「人間の現在過去未来」まで見通します。
四国お遍路|「四国別格20霊場」とは?
四国には、88か寺以外にも、お大師様ゆかりの寺院が、数多く存在しています。 その数、実に、200以上ともいわれるほど! お大師様の生誕地であり、修業の地でもあった四国。 それだけに、ご縁のある寺院が、実に多いのです。 中でも、「別格20霊場」(別名「番外札所」)といわれる札所が、20か所あります。 この「別格20霊場」とは、何なのでしょうか?
四国お遍路|別格20霊場|4番札所「鯖大師本坊」の塩サバ伝説
四国88ケ所以外に、お大師様ゆかりの20ケ寺を「別格20霊場」といいます。 徳島と高知の県境近くにある海陽町にある、4番札所「鯖大師本坊」(八坂寺)。 ここには、お大師様と塩サバにまつわる伝説が遺されています。
四国お遍路|別格20霊場|8番札所十夜ケ橋「遍路心得 誕生の地」
愛媛県・大須市に、「十夜ケ橋」(とよがはし)という、番外札所があります。 別格20霊場の第8番札所で、寺名は、「永徳寺」。 88か所でいうと、ちょうど、43番「明石寺」から、44番「大寶寺」へ移動する途中にあります。 ここには、「四国お遍路の心得」になった、お大師様の逸話が遺されています。

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