お大師様の言葉|世界に無駄なものは1つもない
医王の目には途に触れてみな薬なり、解宝の人は鉱石を宝と見る。
/『般若心経秘鍵』
世界に無駄なものは1つもない
意訳:優れた医者の目には、道端の雑草もみな薬草に見えます。宝石がわかる人には、ただの石の塊にも宝を見出します。
これは、お大師様が「般若心境」を密教的に読み解いた『般若心経秘鍵』という著書に出てくる言葉です。
「密教を本当に理解する者なら、『般若心境』に秘密の教えが隠されていることを、読み取ることができる」と説いています。
この意味は、「物事の本質を見極められる人は、凡人が気づかないところにも、大きな価値を見出す」。「ものごとが分かっている人には、この世界に無駄なものなど何一つない」とも解釈できます。
参考図書:生き方が変わる!空海黄金の言葉 名取芳彦監修、宮下真著 長岡書店刊
あなたは、価値のない人間ではありません。
「生き方が変わる!空海黄金の言葉」(名取芳彦監修、宮下真著 長岡書店刊)では、さらに、こんな言葉が説かれています。
「人生は、「一見無駄」や「どうでもいいもの」ばかりに囲まれています。
でも、その無駄を、自分にとって、無価値だ、無用だと切り捨ててしまうと、一体何が残るでしょうか?
多くの無駄や無用の上に、「有用」が成り立っています。人生に無駄なものなどないと、心しておきましょう」
「人生を、よりよく生きる」ために、とても有益な言葉ですが、ここでは、あえて「うつモード全開」だった当時の自分に向けて。書き添えてみたいと思います。
(当サイトは、お遍路のおかげでうつから脱却した管理人が運営しています)
なくした存在価値に変わる何か
自分をどん底まで突き落としたのは、
「自分には生きている価値がない」と感じたこと。
「存在価値さえない人間」という事実。
これほど、「人を打ちのめす事実」はないかもしれません。
こうして、ときに、人は「うつ」になってしまいます。
「存在価値がない」と思うのは、
「誰かにいわれた」とか、そういう理由で発生するものではありません。
例え、他人から、そういう言葉を吐かれたとしても。
自分で、そう認知しない限り。
自分を心底打ちのめすほどのチカラはありません。
本当に自分を打ちのめすのは、
「自分で、自分をそう感じたとき」です。
外出するのが怖い。
人に会うのが嫌だ。
何をする気にもなれない。
思うように動けない。
こういう自分が申し訳なくて苦しい。
なぜ、こうなってしまったのか?
これを考え続けると、行き着くのは、たった一つ。
「存在価値を感じる何かを、なくしてしまった」という事実。
それは、仕事だったり。人間関係だったり、色々です。
それをなくしたとき、初めて。
人は、自分の存在価値が、何で支えられていたのかを。
知るのかもしれません。
こうして訪れた闇は、実に強固です。
そうそう、這い上がれるものではありません。
でも、悩んで、悩んで、悩みつくしたとき。
「このままじゃ 嫌だ」と思えたら、
きっと、大きな転機が訪れます。
自分の価値は、人が決めるのではなく
自分で決めるのだと。
お大師様は、「どんなものにでも価値がある」と説いています。
自分には価値がないと思っても、
価値があると思える何かが、絶対に自分の中にあるはずだから。
それを見つけるのが、人生なのだと。そう思えるときが、きっと来るはずです。
関連ページ
- お大師様の言葉|ありのままの自分を受け入れる
- 云何が菩提とならば、いわく実の如く自心を知るなり(秘蔵法論) いつわらない ありのままの自分を見つめてください
- お大師様の言葉|自分を変えることができるのは自分だけ
- 物に定まれる性なし。人なんぞ常に悪ならん(秘蔵宝論)
- お大師様の言葉|思い通りにいかないのが、当たり前
- それ生は我が願いにあらざれども、無明の父、我を生ず。死は我が欲することにあらざれども、因業の鬼、我を殺す。(教王経開題)
- お大師様の言葉|二度と後戻りしない決意が、前に進む力になる
- 信心とは、決定堅固にして、退失なからんと欲うがための故に、この心を発す (三昧邪戒序)
- お大師様の言葉|迷いのループを断ち切るのは、今の自分
- 生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりに暗し (秘蔵法論)
- お大師様の言葉|一人でできないことも、人と心を合わせれば叶えられる
- 一塵大嶽を高くし、一滴広海を深くする所以は、心を同じくし力をあわするが致すところなり(精霊集 第八)
- お大師様の言葉|つらい思いをした人が、咲かせる花は美しい
- 蓮(はす)を観じて自浄を知り、果(このみ)を見て心徳を覚(さと)る /「般若心境秘鍵」 泥に生えた蓮を見てください。茎や花が泥の色をしていますか?
- お大師様の言葉|人生は苦しいことばかりではありません
- 生は楽にあらず、衆苦のあつまるところなり/(教王経開題)人生は苦しいことばり。でも、本当にそうでしょうか?
- お大師様の言葉|起こった事のプラス、マイナスを決めるのは自分
- 強弱他に非(あら)ず、我が心能く(しんよく)なす。 この義(ぎ)知らざれば、自他?(とも)に労す。 (性霊集第八)
- お大師様の言葉|傷つけあうだけの関係は断ち切るのも手だ
- 若し流蕩(りゅうとう)して遂に還らず、諫めを聞きて疾(にく)むこと敵の如くならしめば、彼己(かき)に益なくして、現未(げんみ)に損あり。あに翼を奮って高く翔(かけ)り、鱗(うろこ)を払って遠く逝くに若(し)かんや。(高野雑筆集)
- お大師様の言葉|許せない人を許すことで救われる
- 過(とが)を怨(ゆる)して新たならしむる、これを寛大といい、 罪を宥(なだ)めて臓を納(い)る、これを含弘(がんこう)と称す (性霊集第四)
- お大師様の言葉|どんな曇り空の上にもいつも太陽が輝いてる
- 日月星辰(にちげつせいしん)はもとより虚空に住すれども、雲霧蔽虧(うんむへいき)し えん塵映覆す (吽字義)
- お大師様の言葉|やましいことがない生き方が心を楽にする
- 悪を断ずるが故に苦を離れ、善を修するが故に楽を得。(秘蔵宝論) 苦しみから離れ、楽を得るにはどうしたらいいのでしょう。
- お大師様の言葉|美しい心には美しい世界が宿ります
- 心浄なるときは、すなわち仏を見、もし不浄なるときは、すなわち仏を見ず。/(弁顕密二教論)
- お大師様の言葉|貧しくとも本当の財産は心の中にある
- 己有(こう)を知らず、貧これに過ぎたるはなし /吽字義 あなたの財産は何でしょうか? 本当の財産は、実は心の中にあるはずです。
- お大師様の言葉|明るい心を持てば、明るい未来を引き寄せます
- 明暗ともならず。一は強く、一は弱し。 覚知強気ときは、すなわち万徳まどかなり。愚迷弱きときは、すなわち千よう侵す。 (性霊集 第八)
- お大師様の言葉|いつまで夢の中にいるつもりですか?
- 常に三毒の事に酔うて幻野に荒猟して帰宅に心なく、夢落に長眠す。覚悟いずれの時ぞ。 /吽字義
- お大師様の言葉|行動に起こさなければ何も始まりません
- 妙薬はこにみてども、嘗めずして益なし。(性霊集第十) どんなにいい薬でも、眺めているだけでは効きません
- お大師様の言葉|見えているものは現実の世界
- 瓦石草木をえらばず、人天鬼畜をえらばず。 いずれのところにか編ぜざらん。何物をか摂せざらんや。 (吽字義) 見えているものに、「ありえない」ということはないのです。
- お大師様の言葉|天国も地獄も自分の心が作り出す
- 知らず自心の天・獄たることを、あに悟らんや唯心の過災を除くことを。/(秘蔵宝論) 天国も地獄も自分の心が作り出す。
- お大師様の言葉|悩みは「分別」を捨てるとなくなる
- 一心に安住して分別無し、内風下風吾が耳をたぶらかす。 (性霊集) 人と自分を「分別」で分けるから苦悩が生まれるのです。悩むときは、「分別」と別れなさい
- お大師様の言葉|誰でも心に仏様をもっている
- 一心の性は仏と異なることなし。この心に住すればすなわちこれ仏道を修す (遺誡) 誰でも心に仏さまを持っています
- お大師様の言葉|自分なりの道がきっとある
- 薬は病に随って無数なり。乗は器に逐うて無量なり。 /(最勝王経開題) 意訳:薬は病によって処方する薬が無数にあります。それと同じように、人の道も無数に存在します。自分の器にあった、自分なりの道、悟りへの道が、きっとあります。
- お大師様の言葉|幸せは既に自分の中にある
- 無量の福徳は求めざるに自ら備わり、無辺の通力は営まざるに本より得たり。 /大日経開題 法界浄心 意訳 限りない幸せと徳は、求めなくても既に自分に備わっているもの。 途方もない不思議な力さえ、既にもともと持っているものなのです。
- お大師様の言葉|生まれるときも死ぬときも一人
- 一身独り生歿す。電影是れ無常なり。/慕仙詩 意訳/稲妻の一瞬の光のように。私たちは皆、独りで生き、独りで死んでゆくのです。
- お大師様の言葉|答えは既に自分の中にある
- 自ら身口を浄めざれば、心、みだりに随って非を逐う。 凡夫は根と境と界と、仏、慈悲ならずと怨み、 食を要むれども食を得ず、衣を求むれども衣を得ず。/五部陀羅尼問答偈讚宗秘論 超訳 あなたの体と言葉を清めなければ、心は妄想に落ちて、誤った道に進んでしまいます。 凡人は、目の前に見える世界だけを追い、「仏は慈悲がない」といって怨み、欲しいものを求めても、得ることができません。
- お大師様の言葉|心の病の元凶は真実の自分に気づかないこと
- 心病多しといえども、その本は唯一つ、いわゆる無明これなり /『十住心論』 意訳 心の病は数多くありますが、その元凶となっているのはただひとつ。 「無明」。これ以外にありません。 「無明」とは、心が闇に包まれている状態のこと。 心が闇に包まれていると、どんなことにも疑心暗鬼になります。 そして、どんどん深い闇に迷い込んでしまいます。これが、すべての病の根源なのです。
- お大師様の言葉|人と違う自分でいいのです
- 痛狂は酔わざるを笑い、酷酔は覚者を嘲る/般若心経秘鍵 意訳…ひどく酔っている人は、酔っていない人を笑い、眠りこけている人は、起きている人をあざけります。煩悩の中で生きている人は、煩悩の快感に酔いしれているだけです。悟りの世界のすばらしさには全く気付きません。そして、煩悩から解き放たれた人をあざ笑うのです。
- お大師様の言葉|流されて生きるのは辛くないですか?
- 誠にこれ本に背き末に向い、源に違うして流れに順ずるの致すところなり /「吽字義」 意訳:人の「上下」や「優劣」ばかりに気をとられている人は、目に見える損得にばかり気を取られている人です。これを続けていると、「本当に正しい道」を見失い、迷いと苦しみの世界から、逃れることができません。 正しい道を行かず、流されてばかり生きるのは、つらくて苦しいことではありませんか?
- お大師様の言葉|ちっぽけな自分に絶望する必要はありません
- 一身の三密は塵滴に過ぎ、十方法界の身に奉献す/「性霊集第一」 私たち一人ひとりは、とても小さいけれど、実は、無限大の存在。 意訳>この身に備わる、「肉体」、「言葉」、「精神の働き」は、無数の塵や水滴以上に、普遍性をもっています。そして、全宇宙の総体である「仏」に捧げられています。この宇宙は、大日如来の身体、言葉、心そのものです。 つまり、私たちのやっている三業は、大日如来とも通じ合えるわけです。 相互に通じ合って、その区別がなくなったとき。人間の三業は、三密になるのです。
- お大師様の言葉|自分の考え方次第で世界は変わる
- 教法は本より差うことなし。牛と蛇との飲水の如し。 牛が飲めば蘇乳となり、蛇が飲めば毒刺となる。/宗秘論 同じ水から、牛は乳を作り、蛇は毒を作ります。 あなたは、何を作りますか? 意訳> 仏様の教えは、もとから、何も変わることはありません。 牛が飲む水も、蛇が飲む水も、まったく同じ「水」。 それと同じです。 でも水は、牛が飲むと、それは「乳」になり、蛇が飲めば、それは「毒」となります。 水そのものには変わりがないのに、使う者によって、全く異なるものになってしまいます。 仏様の教えも、自分が、それをどう生かすかで、全く違うものになってしまうのです。
- お大師様の言葉|人や自然を見つめると心の正しいあり方が見えてくる
- 法は本より言なけれども、言にあらざれば顕われず。 真如は色を絶すれども、色を待ってすなわち悟る。(御請来目録) 心の正しいあり方は言葉では説明できません。 それでも、自然や人間を見つめることで、それは得られます。 意訳> 仏様の説く悟りは、もともと言葉を超えたものです。 でも、言葉しか、それを説明する方法がありません。 絶対的な真理も、形があるものとは隔絶されていますが、 形として現れる森羅万象を観察して、悟るものです。 悟りも、絶対的な真理も。 森羅万象や、心の中に見え隠れする心情をたどるしか、方法はありません。
- お大師様の言葉|迷いや執着を捨てた先に出口がある
- 一一に微門して、惑を断じ、迷を尽くし、法を除き、言を絶し、性を見、解を生ず。 /十住心論 迷ったり、戸惑ったりしたら、その理由を一つひとつ、心に聞いてみましょう。 意訳> 心で何を感じているのか? これを一つひとつ自分に問いかけてみてください。 誘惑を断ち、迷いから離れ、執着を捨て、言葉を断って、不偏の本性を見るのです。 こうすることで、答えが見つかり、悟りの世界へ到達します。
- お大師様の言葉|どこか無理があった生き方を変えること
- 悟れるものを大覚と号し、迷えるものを衆生と名づく。 /声字実相義 ただ迷い続けるか、考えて理解しようとするか。 仏と私たちの違いは、それだけです。
- お大師様の言葉|地獄は自分の心が生み出すもの
- 地獄は何れの処にか在る。いづれか自心の中に観ん。/「十住心論」 地獄はどこにあるのでしょう? 「自分の心にはない」と、言い切れますか? 意訳:地獄という世界はどこにあるのか。 誰も、自分の心の中を、見ようとはしないのです。
- お大師様の言葉|今こそ悪い網を絶ち切るときです
- 懺悔の力をもって 速やかに不善の網を絶つべし/大日経開題 自分の姿を見つめなおしてください 悪い網にからまってはいませんか? 意訳 私たちは、過去の過ちを自覚し、改めることで、悪い網を切って逃れることができるのです。
- お大師様の言葉|近くて見えないのが自分の心です
- 近くして見がたきは我が心、細にして空にあまねきは我が仏なり。 我が仏、思議しがたし。我が心、広にしてまた大なり。 /十住心論 意訳>とても近くにあるはずのに、なぜか、見えにくいのは自分自身の心です。 そして、目に見えないほど微細なのに、この世界に満ち溢れているのは、心の中にある仏様です。でも、その仏様はとてもとらえにくいもの。自分の心は、それほど広くて、大きいのです。
- お大師様の言葉|ものごとは全てつながっていきます
- 道うことなかれ此の華今年開くと、まさに知るべし往歳種因を下せることを。 (「過因の詩」より「拾遺雑集」) 読み方:いうことなかれ このはなことしひらくと、まさにしるべし おうさいしゅいんをくだせることを。 今日花が咲くのは、過去のおかげと知る 意訳:花が咲いたのを見て、今年ひとりでに咲いたと思ってはいけません。過ぎた日に巻かれた種が、今日咲いた花の因になっていることを知りなさい。
- お大師様の言葉|「自分だけ不運だ」という思い込みをやめること
- 如来は実に平等にして、悲心普ねからずということなし。 /「五部陀羅尼問答偈賛宗秘論」 読み方:にょらいはじつにびょうどうにして、ひしんあまねからずということなし。 救いの光は誰にでも注がれている 意訳>如来はこの世の全てに平等で、その慈悲の心は、あまねく全てにいきわたっています。それは、太陽の光と同じ。誰にでも平等に降り注いでいるのが、如来の慈悲なのです。
- お大師様の言葉|自分を攻撃しても仕方がない
- 一切衆生を観ること己身のごとし、故に敢えて前人を瞋恚せず/三昧耶戒序 読み方:いっさい しゅじょうをみること こしんのごとし ゆえに あえて ぜんにんを しんいせず 世の人全てを自分の姿だと思うこと 意訳:世の人を全て、自分の姿だと思いなさい。そう思えば、目の前の人に怒りをぶつけることもなくなります。
- お大師様の言葉|笑顔は周囲に広がっていく
- 香を執れば自らかんばし、衣を洗えば脚清し/性霊集 笑顔は周りに広がっていく 意訳>いつもお香を使っていると、自分の体からよい香りが漂うようになります。着ているものを洗えば、その流れにつかる脚までキレイにします。 お香は、「清浄なもの」を表します。 つまり、「日々、良い行いを心がけていれば、いつの間にか自分の周りによいことが広がっていく」ということ。
- お大師様の言葉|奇跡は強い思いと願いが起こす
- 昇悟の機、仰がずんばあるべからず/性霊集 読み方:しょうごのき あおがずんば あるべからず 奇跡は強い思いと願いが起こすもの 意訳:悟りを開く機会というのは、常に心に願っていなければやってきません。 奇跡というのも、人の強い思いや願いがあってこそ、起きるのです。
- お大師様の言葉|今までの価値感を見直す
- 封着して強迷すれば三界さかんなり。よく観じて取らざれば法身清し。 /性霊集「如幻の喩を詠ず」より 読み方:ふうじゃくして きょうめいすれば さんがい さかんなり。よくかんじて とらざれば ほっしんきよし。 ☆固定観念を捨てると世の中が面白く見えてくる 意訳:ものごとに深く捕らわれてしまうと、苦悩はますます深まります。固定観念を捨てて、本質をよく見ること。それに捕らわれずに生きれば、心は清く穏やかになります。 物事には、色々なとらえ方があります。今までの自分の考え方や、価値観に固執するのをやめてみれば、世の中はもっと面白く見えてきます。
- お大師様の言葉|自然の中に身を置くと無垢になれる
- 澗水一杯朝に命を支え、山霞一咽夕に神を谷う/性霊集 読み方|かんすい いっぱい あしたに いのちをささえ、さんかいちえん ゆうべに しんを やしなう 自然の中で無垢な魂に戻る 意訳:朝は谷川の水で命をつなぎ、夕方には、山の霞を胸いっぱいに吸い込んで、英気を養います。自然の中にいてこそ、生きる喜びを感じることができるのです。
- お大師様の言葉|自分の魂が喜ぶことをする
- 影は形に随って直く、響きは声に逐って応ず。/十住心論 読み方>かげは かたちに したがって なおく、ひびきは こえに したがって おうず 意訳>影は元の形のまま現れ、こだまは声の大小そのままの響きで帰ってきます。 世の中で起こることは、行為の現れ。人の行いは、そのままの結果を招きます。
- お大師様の言葉|感謝の気持ちが自分を救う
- われ諸法を観るに、たとえば幻のごとし。 すべて、是れ衆縁の合成するところなり。/性霊集 読み方|われ しょほうを みるに たとえば げんのごとし。すべて これ しゅえんの ごうじょうする ところなり。 縁が人をつくります もらった縁を「ありがとう」で生かすのです 意訳:この世の全ては、幻のようなもの。 全ては、多くの縁で生じた「仮の姿」です。
- お大師様の言葉|過ちを隠さない
- 覆えばすなわち長劫に偽獄に沈み、発陳すれば仏の真容を見る。/金勝王経秘密伽陀 読み方|おおえば すなわち じょうごうに しずみ ほっちんすれば ほとけの しんようを みる 意訳|過ちは隠せば隠すほど、長く地獄に沈むことになります。心をさらけ出せば、仏様の姿を見ることができます。 隠すものが多いほど、結果的に自分が苦しむことになり、ウソを言わず、自分をありのままにさらけ出せば、心穏やかに生きることができるという意味です。
- お大師様の言葉|自分の中にある宝に気づくこと
- 自宝を知らず、狂迷を覚と謂えり/秘蔵宝鑰 読み方|じほうを しらず きょうめいを かくと いえり 自分が既に持っている宝に気づいてください 意訳|あなたは、自分が宝を持っていることに気づかず、外の世界の間違った考え方を信じ、それを真実だと思い込んでいるだけです。 『明掌(めいしゅ)、掌(手のひら)にあり』。 「明洙」とは、光を宿す透明な珠のこと。仏様の悟りを指します。 悟りは既に自分の手の中にある。 あなたは、既に仏を心に宿しているのです。 だから、何かを求めて遠くをさまようことなどありません。
- お大師様の言葉|悟りの世界はいつもそこにある
- 一心の虚空は もとよりこのかた常住にして 不損不減なり/吽字義 読み方|いっしんの こくうは もとより このかた じょうじゅうにして ふそんふげんなり 意訳|どんなに心が煩悩に覆われていたとしても、「悟り」という絶対的な世界は、どこにも動くことなく、減ることもありません。
- お大師様の言葉|いまの経験が人生を豊かにする
- 未だ有らず、一味美膳をなし、片音妙曲を調ぶものは。/性霊集 読み方|いまだ あらず いちみびぜんをなし へんおんみょうきょくを しらぶものは。 意訳:ひとつの味つけだけで、美味しいご馳走を作ることも、ひとつの音だけで、素晴らしい曲を作ることもできません。そんなことが出来る人は、いまだに見たことがありません。 これは、学びも同じ。ひとつだけのことに偏って学んでも、思うような成果は得られません。異なる考え方や価値観を学んでこそ、人生の深みが増すのです
- お大師様の言葉|わからないものは そのままでいい
- 真言は不思議なり。観誦すれば無明を除く/般若心経秘鍵 読み方|しんごんは ふしぎなり。かんじゅ すれば むみょうを のぞく わからないものを無理にわかろうとしない 意訳:「真言」は不思議なチカラを持っていて、一心に唱えれば、苦悩の闇から救ってくれます。
- お大師様の言葉|いつかたどり着く新しい世界へ
- 男女の因縁ゆえに諸の子孫を生成するがごとく、 定慧和合してよく仏果を生成することもまたかくのごとし/金剛頂経開題 意訳|男女の縁があって初めて子供が生まれるように、「心の安定」と「智慧」がひとつになってこそ、悟りを開くことができます。 心がざわついているときには、智慧は働きません。 そして、心が落ち着いていても、智慧が欠けていては、悟りに達することができないのです。
- お大師様の言葉|小さな1歩を踏み出す勇気
- 道を聞いて動かずんば、千里いずくんか見ん。/性霊集 知っていることと、動くことは違う 意訳:いくら立派な教えを聞いても、実際に動かなければ千里の道は少しも進めない。 仏の教えも、いくら読んだり聞いたりしても、実際に実践しなければ、悟りには近づけません。
- お大師様の言葉|人の悪口をいわないこと
- 如何が己身の膏盲を療せずして、たやすく他人の腫脚を発露すや。/三教指帰 読み方|いかんが こしんの こうこうを りょうせずして たやすく たにんの はれあしを あらわすや 意訳|なぜ、自分の病気の治療もせずに、他人の脚の腫れもののことを、とやかくいうのでしょうか? 他人の欠点をあれこれいう前に、自分の欠点こそ治すべきです。 多くの場合、自分のほうが重症なのに、他人のはれもの程度のことを指摘するのは、愚かなことです。 ※膏盲(こうこう)とは…心臓の下にある、膏と盲の間に病気が入り込むこと。容易には治らない重病というたとえ。
- お大師様の言葉|魔に負けると大切なものを失う
- 邪見を発起すべからず、善根を断ずるがゆえに。/「秘密三昧耶仏戒義」 ふと沸き起こる邪(よこしま)な考えに負けてはいけません。今まで積んできた善行も、すべて無駄になってしまいます。
- お大師様の言葉|迷いの海から這い上がるには?
- 言亡慮絶して法界に遍ぜり、沈萍の一子もっとも哀れむべし 読み方|げんぼうりょぜつ して ほっかいに へんぜり、ちんぺいの いっし もっとも あわれむべし 意訳 言葉も思慮も超えたところに、仏様の真理がどこまでもいきわたっています。 それを知らずに、水草のように沈んでいく人こそ哀れです。 沈んでいく先は、迷いの海です。 真実はいたるところにあるのに、迷いの海に沈んでしまうのは、 そのことに気づこうとしていないからです。
- お大師様の言葉|最善を尽くすことが成功への近道
- まず福智の因を積んで、しかるのち、無上の果を感致せよ/理趣経開題 読み方|まず ふくちのいんを つんで しかるのち むじょうのかを かんちせよ 意訳|教えを学び、善行を重ねることで仏との因を積み、それによって、最高の結果を得なさい。
- お大師様の言葉|悩んでも答えが出ない時は自然に任せる
- 高山に風起ち易く、深海に水量り難し/性霊集 読み方:こうざんに かぜ たちやすく しんかいに みずはかり がたし 意訳:悟りの高みに達したかと思っても、煩悩の風は起きやすく、悟りの海がどれほど深いのか、想像さえつきません。宇宙の果てや、悟りの果てがどこなのか。人の考えなど及ばず、ただ永遠の真理である仏だけがご存じなのです。
- お大師様の言葉|大事なのは自分を信じ、相手を信じること
- 衆生癡暗にして自ら覚るに由しなし。 如来加持してその帰趣を示したもう。/念持真言理観啓白文 読み方|じゅじょうちあんにして みずからさとるに よしなし。 にょらいかじして そのきしゅを しめしたもう。 意訳:人間とは愚かで、真実に気づかず、自分の力だけで悟ることはできないものです。 だからこそ、仏様がその不思議な力で、人々を守り、悟りに至る道を示してくれるのです。