お大師様の言葉|いつまで夢の中にいるつもりですか
常に三毒の事に酔うて幻野に荒猟して帰宅に心なく、夢落に長眠す。覚悟いずれの時ぞ。
/吽字義
酔ったように人生の荒野をさまよっているあなた。
いつまで夢の中にいるつもりですか?
意訳
人間は、常に「むさぼり」と「怒り」「愚痴」の3つの煩悩に酔って、荒野をさまよい続け、その煩悩の夢から覚めようとしません。この煩悩の中に、いつまでいるつもりですか?
参考書籍:「心が穏やかになる空海の言葉」元結不動密蔵院住職 名取芳彦氏著/宝島社刊より引用
心の扉を開けるのは、自分自身
うつの人に、「頑張って」という言葉は禁句だという話は、よく聞く話です。
実際、うつになりたての頃にコレを聴くと、「頑張ろうと思うのに頑張れない」ことに気づいて、余計に激しく落ち込みます。
自分の心も体も、思うようにコントロールできないのですから、当然といえば当然です。
このことを知ってくれている周囲の人は、おそらく、この言葉を禁句にしてくれているのではないでしょうか。実際、管理人の周囲もそうでした。
でも、振り返って気づいたことがあります。
「うつなんだから、がんばれない」と、一番強く決めつけていたのは、他ならぬ自分自身でした。
うつなんだから、優しくしてよ、
うつなんだから、そっとしといてよ。
どんどん硬い殻に閉じこもって、そこにうずくまっていました。
でも、ふと気づいたことがありました。
「このままだと永遠に、暗闇の中で生きてくことになる」。
心の底から、それはイヤだと思いました。暗闇の中で生きていくのも、暗闇の中で死んでいくのもイヤなのです。
そうなると、選択肢はひとつしかありません。
「この暗闇から自力で這い出ること」。
この暗闇は、自分にしか見えない暗闇ですから、誰かの力で這い出ることなんてできません。自分で出るしかないのです。
頑張るのが無理なのは、以前と同じ方法で頑張るのが無理なのです。同じ方法では、この暗闇に取り込まれてしまいます。
違う頑張り方を探すこと。その方法は、自分にしか見つけられません。
管理人の場合は、「今までの考え方を変えること」が、その方法でしたが、方法は人それぞれ、いろいろな方法が、きっとあります。
そろそろ、荒野の中から自力で抜けだす時期が、近づいているのではないでしょうか?
関連ページ
- お大師様の言葉|ありのままの自分を受け入れる
- 云何が菩提とならば、いわく実の如く自心を知るなり(秘蔵法論) いつわらない ありのままの自分を見つめてください
- お大師様の言葉|自分を変えることができるのは自分だけ
- 物に定まれる性なし。人なんぞ常に悪ならん(秘蔵宝論)
- お大師様の言葉|思い通りにいかないのが、当たり前
- それ生は我が願いにあらざれども、無明の父、我を生ず。死は我が欲することにあらざれども、因業の鬼、我を殺す。(教王経開題)
- お大師様の言葉|二度と後戻りしない決意が、前に進む力になる
- 信心とは、決定堅固にして、退失なからんと欲うがための故に、この心を発す (三昧邪戒序)
- お大師様の言葉|迷いのループを断ち切るのは、今の自分
- 生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりに暗し (秘蔵法論)
- お大師様の言葉|一人でできないことも、人と心を合わせれば叶えられる
- 一塵大嶽を高くし、一滴広海を深くする所以は、心を同じくし力をあわするが致すところなり(精霊集 第八)
- お大師様の言葉|つらい思いをした人が、咲かせる花は美しい
- 蓮(はす)を観じて自浄を知り、果(このみ)を見て心徳を覚(さと)る /「般若心境秘鍵」 泥に生えた蓮を見てください。茎や花が泥の色をしていますか?
- お大師様の言葉|人生は苦しいことばかりではありません
- 生は楽にあらず、衆苦のあつまるところなり/(教王経開題)人生は苦しいことばり。でも、本当にそうでしょうか?
- お大師様の言葉|起こった事のプラス、マイナスを決めるのは自分
- 強弱他に非(あら)ず、我が心能く(しんよく)なす。 この義(ぎ)知らざれば、自他?(とも)に労す。 (性霊集第八)
- お大師様の言葉|傷つけあうだけの関係は断ち切るのも手だ
- 若し流蕩(りゅうとう)して遂に還らず、諫めを聞きて疾(にく)むこと敵の如くならしめば、彼己(かき)に益なくして、現未(げんみ)に損あり。あに翼を奮って高く翔(かけ)り、鱗(うろこ)を払って遠く逝くに若(し)かんや。(高野雑筆集)
- お大師様の言葉|許せない人を許すことで救われる
- 過(とが)を怨(ゆる)して新たならしむる、これを寛大といい、 罪を宥(なだ)めて臓を納(い)る、これを含弘(がんこう)と称す (性霊集第四)
- お大師様の言葉|どんな曇り空の上にもいつも太陽が輝いてる
- 日月星辰(にちげつせいしん)はもとより虚空に住すれども、雲霧蔽虧(うんむへいき)し えん塵映覆す (吽字義)
- お大師様の言葉|やましいことがない生き方が心を楽にする
- 悪を断ずるが故に苦を離れ、善を修するが故に楽を得。(秘蔵宝論) 苦しみから離れ、楽を得るにはどうしたらいいのでしょう。
- お大師様の言葉|美しい心には美しい世界が宿ります
- 心浄なるときは、すなわち仏を見、もし不浄なるときは、すなわち仏を見ず。/(弁顕密二教論)
- お大師様の言葉|貧しくとも本当の財産は心の中にある
- 己有(こう)を知らず、貧これに過ぎたるはなし /吽字義 あなたの財産は何でしょうか? 本当の財産は、実は心の中にあるはずです。
- お大師様の言葉|明るい心を持てば、明るい未来を引き寄せます
- 明暗ともならず。一は強く、一は弱し。 覚知強気ときは、すなわち万徳まどかなり。愚迷弱きときは、すなわち千よう侵す。 (性霊集 第八)
- お大師様の言葉|行動に起こさなければ何も始まりません
- 妙薬はこにみてども、嘗めずして益なし。(性霊集第十) どんなにいい薬でも、眺めているだけでは効きません
- お大師様の言葉|見えているものは現実の世界
- 瓦石草木をえらばず、人天鬼畜をえらばず。 いずれのところにか編ぜざらん。何物をか摂せざらんや。 (吽字義) 見えているものに、「ありえない」ということはないのです。
- お大師様の言葉|天国も地獄も自分の心が作り出す
- 知らず自心の天・獄たることを、あに悟らんや唯心の過災を除くことを。/(秘蔵宝論) 天国も地獄も自分の心が作り出す。
- お大師様の言葉|悩みは「分別」を捨てるとなくなる
- 一心に安住して分別無し、内風下風吾が耳をたぶらかす。 (性霊集) 人と自分を「分別」で分けるから苦悩が生まれるのです。悩むときは、「分別」と別れなさい
- お大師様の言葉|誰でも心に仏様をもっている
- 一心の性は仏と異なることなし。この心に住すればすなわちこれ仏道を修す (遺誡) 誰でも心に仏さまを持っています
- お大師様の言葉|自分なりの道がきっとある
- 薬は病に随って無数なり。乗は器に逐うて無量なり。 /(最勝王経開題) 意訳:薬は病によって処方する薬が無数にあります。それと同じように、人の道も無数に存在します。自分の器にあった、自分なりの道、悟りへの道が、きっとあります。
- お大師様の言葉|幸せは既に自分の中にある
- 無量の福徳は求めざるに自ら備わり、無辺の通力は営まざるに本より得たり。 /大日経開題 法界浄心 意訳 限りない幸せと徳は、求めなくても既に自分に備わっているもの。 途方もない不思議な力さえ、既にもともと持っているものなのです。
- お大師様の言葉|生まれるときも死ぬときも一人
- 一身独り生歿す。電影是れ無常なり。/慕仙詩 意訳/稲妻の一瞬の光のように。私たちは皆、独りで生き、独りで死んでゆくのです。
- お大師様の言葉|答えは既に自分の中にある
- 自ら身口を浄めざれば、心、みだりに随って非を逐う。 凡夫は根と境と界と、仏、慈悲ならずと怨み、 食を要むれども食を得ず、衣を求むれども衣を得ず。/五部陀羅尼問答偈讚宗秘論 超訳 あなたの体と言葉を清めなければ、心は妄想に落ちて、誤った道に進んでしまいます。 凡人は、目の前に見える世界だけを追い、「仏は慈悲がない」といって怨み、欲しいものを求めても、得ることができません。
- お大師様の言葉|心の病の元凶は真実の自分に気づかないこと
- 心病多しといえども、その本は唯一つ、いわゆる無明これなり /『十住心論』 意訳 心の病は数多くありますが、その元凶となっているのはただひとつ。 「無明」。これ以外にありません。 「無明」とは、心が闇に包まれている状態のこと。 心が闇に包まれていると、どんなことにも疑心暗鬼になります。 そして、どんどん深い闇に迷い込んでしまいます。これが、すべての病の根源なのです。
- お大師様の言葉|人と違う自分でいいのです
- 痛狂は酔わざるを笑い、酷酔は覚者を嘲る/般若心経秘鍵 意訳…ひどく酔っている人は、酔っていない人を笑い、眠りこけている人は、起きている人をあざけります。煩悩の中で生きている人は、煩悩の快感に酔いしれているだけです。悟りの世界のすばらしさには全く気付きません。そして、煩悩から解き放たれた人をあざ笑うのです。
- お大師様の言葉|流されて生きるのは辛くないですか?
- 誠にこれ本に背き末に向い、源に違うして流れに順ずるの致すところなり /「吽字義」 意訳:人の「上下」や「優劣」ばかりに気をとられている人は、目に見える損得にばかり気を取られている人です。これを続けていると、「本当に正しい道」を見失い、迷いと苦しみの世界から、逃れることができません。 正しい道を行かず、流されてばかり生きるのは、つらくて苦しいことではありませんか?
- お大師様の言葉|ちっぽけな自分に絶望する必要はありません
- 一身の三密は塵滴に過ぎ、十方法界の身に奉献す/「性霊集第一」 私たち一人ひとりは、とても小さいけれど、実は、無限大の存在。 意訳>この身に備わる、「肉体」、「言葉」、「精神の働き」は、無数の塵や水滴以上に、普遍性をもっています。そして、全宇宙の総体である「仏」に捧げられています。この宇宙は、大日如来の身体、言葉、心そのものです。 つまり、私たちのやっている三業は、大日如来とも通じ合えるわけです。 相互に通じ合って、その区別がなくなったとき。人間の三業は、三密になるのです。
- お大師様の言葉|自分の考え方次第で世界は変わる
- 教法は本より差うことなし。牛と蛇との飲水の如し。 牛が飲めば蘇乳となり、蛇が飲めば毒刺となる。/宗秘論 同じ水から、牛は乳を作り、蛇は毒を作ります。 あなたは、何を作りますか? 意訳> 仏様の教えは、もとから、何も変わることはありません。 牛が飲む水も、蛇が飲む水も、まったく同じ「水」。 それと同じです。 でも水は、牛が飲むと、それは「乳」になり、蛇が飲めば、それは「毒」となります。 水そのものには変わりがないのに、使う者によって、全く異なるものになってしまいます。 仏様の教えも、自分が、それをどう生かすかで、全く違うものになってしまうのです。
- お大師様の言葉|人や自然を見つめると心の正しいあり方が見えてくる
- 法は本より言なけれども、言にあらざれば顕われず。 真如は色を絶すれども、色を待ってすなわち悟る。(御請来目録) 心の正しいあり方は言葉では説明できません。 それでも、自然や人間を見つめることで、それは得られます。 意訳> 仏様の説く悟りは、もともと言葉を超えたものです。 でも、言葉しか、それを説明する方法がありません。 絶対的な真理も、形があるものとは隔絶されていますが、 形として現れる森羅万象を観察して、悟るものです。 悟りも、絶対的な真理も。 森羅万象や、心の中に見え隠れする心情をたどるしか、方法はありません。
- お大師様の言葉|迷いや執着を捨てた先に出口がある
- 一一に微門して、惑を断じ、迷を尽くし、法を除き、言を絶し、性を見、解を生ず。 /十住心論 迷ったり、戸惑ったりしたら、その理由を一つひとつ、心に聞いてみましょう。 意訳> 心で何を感じているのか? これを一つひとつ自分に問いかけてみてください。 誘惑を断ち、迷いから離れ、執着を捨て、言葉を断って、不偏の本性を見るのです。 こうすることで、答えが見つかり、悟りの世界へ到達します。
- お大師様の言葉|どこか無理があった生き方を変えること
- 悟れるものを大覚と号し、迷えるものを衆生と名づく。 /声字実相義 ただ迷い続けるか、考えて理解しようとするか。 仏と私たちの違いは、それだけです。
- お大師様の言葉|地獄は自分の心が生み出すもの
- 地獄は何れの処にか在る。いづれか自心の中に観ん。/「十住心論」 地獄はどこにあるのでしょう? 「自分の心にはない」と、言い切れますか? 意訳:地獄という世界はどこにあるのか。 誰も、自分の心の中を、見ようとはしないのです。
- お大師様の言葉|今こそ悪い網を絶ち切るときです
- 懺悔の力をもって 速やかに不善の網を絶つべし/大日経開題 自分の姿を見つめなおしてください 悪い網にからまってはいませんか? 意訳 私たちは、過去の過ちを自覚し、改めることで、悪い網を切って逃れることができるのです。
- お大師様の言葉|近くて見えないのが自分の心です
- 近くして見がたきは我が心、細にして空にあまねきは我が仏なり。 我が仏、思議しがたし。我が心、広にしてまた大なり。 /十住心論 意訳>とても近くにあるはずのに、なぜか、見えにくいのは自分自身の心です。 そして、目に見えないほど微細なのに、この世界に満ち溢れているのは、心の中にある仏様です。でも、その仏様はとてもとらえにくいもの。自分の心は、それほど広くて、大きいのです。
- お大師様の言葉|ものごとは全てつながっていきます
- 道うことなかれ此の華今年開くと、まさに知るべし往歳種因を下せることを。 (「過因の詩」より「拾遺雑集」) 読み方:いうことなかれ このはなことしひらくと、まさにしるべし おうさいしゅいんをくだせることを。 今日花が咲くのは、過去のおかげと知る 意訳:花が咲いたのを見て、今年ひとりでに咲いたと思ってはいけません。過ぎた日に巻かれた種が、今日咲いた花の因になっていることを知りなさい。
- お大師様の言葉|「自分だけ不運だ」という思い込みをやめること
- 如来は実に平等にして、悲心普ねからずということなし。 /「五部陀羅尼問答偈賛宗秘論」 読み方:にょらいはじつにびょうどうにして、ひしんあまねからずということなし。 救いの光は誰にでも注がれている 意訳>如来はこの世の全てに平等で、その慈悲の心は、あまねく全てにいきわたっています。それは、太陽の光と同じ。誰にでも平等に降り注いでいるのが、如来の慈悲なのです。
- お大師様の言葉|世界に無駄なものは1つもない
- 医王の目には途に触れてみな薬なり、解宝の人は鉱石を宝と見る。 /『般若心経秘鍵』 世界に無駄なものは1つもない 意訳:優れた医者の目には、道端の雑草もみな薬草に見えます。宝石がわかる人には、ただの石の塊にも宝を見出します。
- お大師様の言葉|自分を攻撃しても仕方がない
- 一切衆生を観ること己身のごとし、故に敢えて前人を瞋恚せず/三昧耶戒序 読み方:いっさい しゅじょうをみること こしんのごとし ゆえに あえて ぜんにんを しんいせず 世の人全てを自分の姿だと思うこと 意訳:世の人を全て、自分の姿だと思いなさい。そう思えば、目の前の人に怒りをぶつけることもなくなります。
- お大師様の言葉|笑顔は周囲に広がっていく
- 香を執れば自らかんばし、衣を洗えば脚清し/性霊集 笑顔は周りに広がっていく 意訳>いつもお香を使っていると、自分の体からよい香りが漂うようになります。着ているものを洗えば、その流れにつかる脚までキレイにします。 お香は、「清浄なもの」を表します。 つまり、「日々、良い行いを心がけていれば、いつの間にか自分の周りによいことが広がっていく」ということ。
- お大師様の言葉|奇跡は強い思いと願いが起こす
- 昇悟の機、仰がずんばあるべからず/性霊集 読み方:しょうごのき あおがずんば あるべからず 奇跡は強い思いと願いが起こすもの 意訳:悟りを開く機会というのは、常に心に願っていなければやってきません。 奇跡というのも、人の強い思いや願いがあってこそ、起きるのです。
- お大師様の言葉|今までの価値感を見直す
- 封着して強迷すれば三界さかんなり。よく観じて取らざれば法身清し。 /性霊集「如幻の喩を詠ず」より 読み方:ふうじゃくして きょうめいすれば さんがい さかんなり。よくかんじて とらざれば ほっしんきよし。 ☆固定観念を捨てると世の中が面白く見えてくる 意訳:ものごとに深く捕らわれてしまうと、苦悩はますます深まります。固定観念を捨てて、本質をよく見ること。それに捕らわれずに生きれば、心は清く穏やかになります。 物事には、色々なとらえ方があります。今までの自分の考え方や、価値観に固執するのをやめてみれば、世の中はもっと面白く見えてきます。
- お大師様の言葉|自然の中に身を置くと無垢になれる
- 澗水一杯朝に命を支え、山霞一咽夕に神を谷う/性霊集 読み方|かんすい いっぱい あしたに いのちをささえ、さんかいちえん ゆうべに しんを やしなう 自然の中で無垢な魂に戻る 意訳:朝は谷川の水で命をつなぎ、夕方には、山の霞を胸いっぱいに吸い込んで、英気を養います。自然の中にいてこそ、生きる喜びを感じることができるのです。
- お大師様の言葉|自分の魂が喜ぶことをする
- 影は形に随って直く、響きは声に逐って応ず。/十住心論 読み方>かげは かたちに したがって なおく、ひびきは こえに したがって おうず 意訳>影は元の形のまま現れ、こだまは声の大小そのままの響きで帰ってきます。 世の中で起こることは、行為の現れ。人の行いは、そのままの結果を招きます。
- お大師様の言葉|感謝の気持ちが自分を救う
- われ諸法を観るに、たとえば幻のごとし。 すべて、是れ衆縁の合成するところなり。/性霊集 読み方|われ しょほうを みるに たとえば げんのごとし。すべて これ しゅえんの ごうじょうする ところなり。 縁が人をつくります もらった縁を「ありがとう」で生かすのです 意訳:この世の全ては、幻のようなもの。 全ては、多くの縁で生じた「仮の姿」です。
- お大師様の言葉|過ちを隠さない
- 覆えばすなわち長劫に偽獄に沈み、発陳すれば仏の真容を見る。/金勝王経秘密伽陀 読み方|おおえば すなわち じょうごうに しずみ ほっちんすれば ほとけの しんようを みる 意訳|過ちは隠せば隠すほど、長く地獄に沈むことになります。心をさらけ出せば、仏様の姿を見ることができます。 隠すものが多いほど、結果的に自分が苦しむことになり、ウソを言わず、自分をありのままにさらけ出せば、心穏やかに生きることができるという意味です。
- お大師様の言葉|自分の中にある宝に気づくこと
- 自宝を知らず、狂迷を覚と謂えり/秘蔵宝鑰 読み方|じほうを しらず きょうめいを かくと いえり 自分が既に持っている宝に気づいてください 意訳|あなたは、自分が宝を持っていることに気づかず、外の世界の間違った考え方を信じ、それを真実だと思い込んでいるだけです。 『明掌(めいしゅ)、掌(手のひら)にあり』。 「明洙」とは、光を宿す透明な珠のこと。仏様の悟りを指します。 悟りは既に自分の手の中にある。 あなたは、既に仏を心に宿しているのです。 だから、何かを求めて遠くをさまようことなどありません。
- お大師様の言葉|悟りの世界はいつもそこにある
- 一心の虚空は もとよりこのかた常住にして 不損不減なり/吽字義 読み方|いっしんの こくうは もとより このかた じょうじゅうにして ふそんふげんなり 意訳|どんなに心が煩悩に覆われていたとしても、「悟り」という絶対的な世界は、どこにも動くことなく、減ることもありません。
- お大師様の言葉|いまの経験が人生を豊かにする
- 未だ有らず、一味美膳をなし、片音妙曲を調ぶものは。/性霊集 読み方|いまだ あらず いちみびぜんをなし へんおんみょうきょくを しらぶものは。 意訳:ひとつの味つけだけで、美味しいご馳走を作ることも、ひとつの音だけで、素晴らしい曲を作ることもできません。そんなことが出来る人は、いまだに見たことがありません。 これは、学びも同じ。ひとつだけのことに偏って学んでも、思うような成果は得られません。異なる考え方や価値観を学んでこそ、人生の深みが増すのです
- お大師様の言葉|わからないものは そのままでいい
- 真言は不思議なり。観誦すれば無明を除く/般若心経秘鍵 読み方|しんごんは ふしぎなり。かんじゅ すれば むみょうを のぞく わからないものを無理にわかろうとしない 意訳:「真言」は不思議なチカラを持っていて、一心に唱えれば、苦悩の闇から救ってくれます。
- お大師様の言葉|いつかたどり着く新しい世界へ
- 男女の因縁ゆえに諸の子孫を生成するがごとく、 定慧和合してよく仏果を生成することもまたかくのごとし/金剛頂経開題 意訳|男女の縁があって初めて子供が生まれるように、「心の安定」と「智慧」がひとつになってこそ、悟りを開くことができます。 心がざわついているときには、智慧は働きません。 そして、心が落ち着いていても、智慧が欠けていては、悟りに達することができないのです。
- お大師様の言葉|小さな1歩を踏み出す勇気
- 道を聞いて動かずんば、千里いずくんか見ん。/性霊集 知っていることと、動くことは違う 意訳:いくら立派な教えを聞いても、実際に動かなければ千里の道は少しも進めない。 仏の教えも、いくら読んだり聞いたりしても、実際に実践しなければ、悟りには近づけません。
- お大師様の言葉|人の悪口をいわないこと
- 如何が己身の膏盲を療せずして、たやすく他人の腫脚を発露すや。/三教指帰 読み方|いかんが こしんの こうこうを りょうせずして たやすく たにんの はれあしを あらわすや 意訳|なぜ、自分の病気の治療もせずに、他人の脚の腫れもののことを、とやかくいうのでしょうか? 他人の欠点をあれこれいう前に、自分の欠点こそ治すべきです。 多くの場合、自分のほうが重症なのに、他人のはれもの程度のことを指摘するのは、愚かなことです。 ※膏盲(こうこう)とは…心臓の下にある、膏と盲の間に病気が入り込むこと。容易には治らない重病というたとえ。
- お大師様の言葉|魔に負けると大切なものを失う
- 邪見を発起すべからず、善根を断ずるがゆえに。/「秘密三昧耶仏戒義」 ふと沸き起こる邪(よこしま)な考えに負けてはいけません。今まで積んできた善行も、すべて無駄になってしまいます。
- お大師様の言葉|迷いの海から這い上がるには?
- 言亡慮絶して法界に遍ぜり、沈萍の一子もっとも哀れむべし 読み方|げんぼうりょぜつ して ほっかいに へんぜり、ちんぺいの いっし もっとも あわれむべし 意訳 言葉も思慮も超えたところに、仏様の真理がどこまでもいきわたっています。 それを知らずに、水草のように沈んでいく人こそ哀れです。 沈んでいく先は、迷いの海です。 真実はいたるところにあるのに、迷いの海に沈んでしまうのは、 そのことに気づこうとしていないからです。
- お大師様の言葉|最善を尽くすことが成功への近道
- まず福智の因を積んで、しかるのち、無上の果を感致せよ/理趣経開題 読み方|まず ふくちのいんを つんで しかるのち むじょうのかを かんちせよ 意訳|教えを学び、善行を重ねることで仏との因を積み、それによって、最高の結果を得なさい。
- お大師様の言葉|悩んでも答えが出ない時は自然に任せる
- 高山に風起ち易く、深海に水量り難し/性霊集 読み方:こうざんに かぜ たちやすく しんかいに みずはかり がたし 意訳:悟りの高みに達したかと思っても、煩悩の風は起きやすく、悟りの海がどれほど深いのか、想像さえつきません。宇宙の果てや、悟りの果てがどこなのか。人の考えなど及ばず、ただ永遠の真理である仏だけがご存じなのです。
- お大師様の言葉|大事なのは自分を信じ、相手を信じること
- 衆生癡暗にして自ら覚るに由しなし。 如来加持してその帰趣を示したもう。/念持真言理観啓白文 読み方|じゅじょうちあんにして みずからさとるに よしなし。 にょらいかじして そのきしゅを しめしたもう。 意訳:人間とは愚かで、真実に気づかず、自分の力だけで悟ることはできないものです。 だからこそ、仏様がその不思議な力で、人々を守り、悟りに至る道を示してくれるのです。