四国お遍路体験談|第1回区切り打ち|2日目|第10番〜12番

第1回|四国お遍路|2日目|第10〜12番

第1回区切り打ち|2日目|第10番〜12番

「せっかく泊まったんだから」と、早朝から温泉に入って朝食をしっかり食べた。
チェックアウトは、大きいホテルだからか、かなり込み合う。

 

結局、9時すぎにホテルを出て、第10番へ。途中、鳴門IC→土成ICまで高速を使って移動。1時間くらいで到着。

 


第10番「切幡寺」10:15

これから始まる山道の予感

 

「我ながら容量の悪い移動をしている」と何となく反省しながら到着。
なんでも後悔するのが、癖になってるのかもしれない。

 

さて、10番札所。見るからに、「山」!!!
お遍路ころがしと言われている難所、焼山寺まであと少し。
「ころがされる準備をここで?」という印象。

 

山門で一礼。するとすぐ始まる階段がここ。
一番なえたのは、この道しるべ。
「是より三三三段」。

 

大げさだけど、これから起こる苦難がある場合。
先にお知らせされていたほうがよいか。
知らないほうがよいか。 
私はお知らせされると、余計に精神的につかれるタイプ。知らないで登って、
「げーっ!」と思うほうがラクなんだけど…。
お知らせされてしまったので仕方ない。

 

 

333段の途中あたりに、ちょっとしたスペース。
ここで一息ついて、一気に上へ。

 

本堂で参拝して、大師堂でお参り。来た道を、今度は下って移動した。

 

お遍路らしい坂道満載で、印象に残るお寺だった。

 

第11番藤井寺 12:00

人間の慣れについて考える

 

今度は11キロほどの移動。今まで近距離が多かったので、ちょっと新鮮。
途中、大きな川(吉野川)を渡ったり、山の風景が広がる場所を走ったり。

 

それにしても、徳島の地元の皆さんの運転ってかなりヤバイ。
一般道で1車線ずつしかないのに、法定速度で走っていると、対向車線を使ってビュンビュン追い越していく。
正直、かなり怖い。対向車が来たらどうするんだろう??

 

さて、そんな山道を走ってついたのが11番札所。
途中、普通の住宅地に入る脇道へ。
ナビがなければ絶対に信じない側道を恐る恐る進むと、藤井寺についた。

 

お寺の手前に駐車場があって、珍しく駐車代がかかった。あまり広くないけど、バスも止まってる。
これは、団体の皆さまと遭遇する予感。

 

山門まで続く道にある「藤棚」。
なんでも有名な藤棚らしく、なんとお大師様お手植えの藤がその始まり。
花が咲いてる季節なら、すごくキレイだと思う。

 

本堂と大師堂でお参り。やっぱり団体客の皆さまと遭遇。
昨日よりは、団体客にびびらない自分がいる。
納経所は混んでたけど、ダイジョブ。かなり自分が手馴れてきた気がする。

 

ここを終えるといよいよ12番。
ちょっと、ドキドキ。

12番札所「焼山寺」14:00

今思い返しても、強烈な記憶として残っているのが「焼山寺」。
ここまでの道は本当にすごかった。

 

歩きお遍路の場合は、11番札所の脇から山道を入って登っていくのだけど、車の場合は、結構大回りして、車が通れる道を使う。
お昼ご飯は省略して食べずに、お寺を目指す。

 

途中までは想像の範囲内だったけど、だんだん細く、だんだん急こう配になる道。
オ−トマだけど、ギアが普通の状態ではとても登れない。セカンドに入れ、ローに切り替え、要所、要所でギアチェンジしてゆっくり登る。

 

たまに、対向車が現れるとどちらかが道を譲らないと、通ることができなくなる。
運よく、めったに対向車も来ず、しかも後続車もなかったので追い立てられることもなかったけど、とても呑気に運転できるような道ではない。

 

車でお遍路しておきながらいうのもなんだけど、
この道は本当に大変すぎて、うつ人には向いていない。
この日は、ゴール間際で霧まで発生して、10m先も見えなくなった。
この状態で、この道を平気で登れる人は決していないだろう。

 

こんな大変な思いをしながら、なんとかお寺の駐車場に到着。
霧も出ているけど、雨も降りだした。
お遍路中に雨に降られるのは初めて。とにかく雨用の装備に変えなくては。

 

いざ、車から外に出て、参道へ。
車遍路とはいえ、ここからは歩き。
距離は大したことないけど、登りは登り。
途中、脇道に信者が奉納した仏さまがずらりと並んでいた。

 

焼山寺の山門は、なんだか荘厳。
お大師様が横に立っている。

両脇、その奥に見えるのも、杉の大木。
お遍路の有名人、衛門三郎の終焉の地がここ焼山寺というから、この杉ちゃんたちも何かいわれがあるのかも。
(歩きお遍路の道に、いわれの杉があるというのはあとから知りました)

 

大木の間を歩いて、階段をのぼると、ようやく本堂が。
そして、その横に大師堂。周囲の雰囲気と合わせてみると、なんだかこの世のものではないような感じさえした。

 


本堂と大師堂でお参りを終えて納経所へ。
納経所では、「何を使ってここまで来たのか」を聞かれ、「車です」と答えると、車道維持協力費として300円(400円かな?)を追加で納めるようにとのこと。なるほど、そりゃそうだよねと思った。

 

そして来た道を帰り、駐車場についたら、なんと晴れてきた。

 

グレーの雲と青い空がセットで見える。

不思議。あ〜 またあの道を下るのか。下りは下りでやっぱり、それなりに大変だった。

 

久々の緊張感。手に汗握るようなことに出会うとは驚き。
でも、緊張感とは別に、やり遂げた感も。

 

 

無事故無違反、無事にたどり着けただけで立派なもんだ。
久しぶりに、自分で自分をほめた。
自分をほめるって、うつ人にとってはすごく大事。

 

この日は、これで打ち止め。
山を下りたらすぐ次のお寺があるのはわかってるけど、今回はこれでいったん帰ることに決めた。
また、すぐに続きに来る予感を残しながら。


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