お遍路準備の基礎知識|四国遍路にかかる費用の目安は?
「四国お遍路」で、誰もが気になるのが「費用」です。
どの手法で「お遍路」をしたとしても、ある程度まとまった予算は必要。
必要な日数が多ければ多いほど、それなりに費用もかかります。ここでは、「四国お遍路にかかる費用」の目安をご紹介します。
四国お遍路の固定費
「四国お遍路」の費用にも「固定費」と「流動費」があります。
「固定費」というのは、「宿泊数」に関係なく必要な経費。「流動費」とは、「宿泊数」に応じてかかる経費です。選ぶ交通手段によって、大きく変動します。
基本的にかかる「四国お遍路の固定費」総額…約4万円〜
固定費とは、交通手段・宿泊数と関係なくかかる費用のことです。各札所で納経して、ご朱印を頂く想定で見積もります。
内容 | 金額 | 詳細内訳 |
---|---|---|
お遍路に必要なグッズ | 約6000円 | 必要最低限のもの「白衣」約2000円、「和袈裟」1500円、「納め札」100枚100円×2=200円、「納経張」約2000円、「仏前勧経次第」約300円の合計。※詳細は、お遍路準備D|必要なお遍路グッズ |
納経料88か所分 | 26400円 | 1札所あたり300円×88か所=26400円 |
お賽銭88か所分 | 約1000円 | 1札所あたり本堂、大師堂+@で、5円ずつ入れた場合の目安 |
ロープウェイの料金 | 約6000円 | ※ロープウエイが必要な札所数…3か所お遍路の手法に関わらず、乗る必要がある札所が3つあります。21番札所太龍寺ロープウェイ 大人料金 往復2470円66番札所雲辺寺ロープウェイ 大人料金 往復2470円85番札所八栗寺ケーブルカー 大人料金 往復930円 |
総合計 | 39,400円 |
※ロープウェイについては、昔ながらの「険しい山道の遍路道」をひたすら登るという選択肢も一応ありますが、この3か所はロープウェイを使うのが普通です。車お遍路の場合も、ロープウエイ麓駅の駐車場に車を停めます。85番は何とか頑張れるかもしれない山道です。
四国お遍路の流動費
流動費は、「交通手段×宿泊数」で変わります。
一番お金がかかるのは、宿泊費です。泊まる宿のレベルで相当変動しますが、民宿・遍路宿・宿坊の宿泊費を7000円で計算します。
歩きお遍路で必要な50日間想定の費用です。
内容 | 費用の小計 | 内訳 |
---|---|---|
宿泊費 | 343,000円 | 1泊あたり7,000円×49泊分=343,000円 |
飲食代 | 100,000円 | 1日あたり2000円×50日分=100000円 |
固定費 | 40,000円 | ※四国お遍路の固定費参照 |
合計 | 48.3000円 |
12日間(11泊12日想定)の予算です。
内容 | 費用の小計 | 内訳 |
---|---|---|
宿泊費 | 77,000円 | 1泊あたり7000円×11=77000円 |
飲食代 | 24,000円 | 1日2000円×12=24000円 |
ガソリン代 | 120,90円 | 総距離約1400キロを、燃費15キロ/1Lで計算すると、93L必要。93L×130円=12090円 |
駐車場代 | 6,000円 | 札所によって駐車代が200円ほどかかります。88か所中、3割ほどの札所で駐車場がかかると計算。200円×30か所=6000円 |
有料道路 | 2,630円 | ※60番札所横峰寺は有料道路が必要です。石鎚山有料道路 通行料約2000円※屋島寺有料道路630円 |
固定費 | 40,000円 | ※四国お遍路の固定費参照 |
合計 | 159.090円 |
実際、車でお遍路を廻る場合、途中で利用できる高速道などを活用するのが得策です。
愛媛に入ってからの移動は、四国高速を使った方が大幅に時間短縮できる区間がありますので、回るプランを作るときに想定してください。
その際の高速料金は省いていますので、上記よりも費用はかかります。
また、レンタカーを使用する場合は、別途費用がかかりますので、それを見越した予算が必要です。
※札所の駐車代は、札所によって支払い方がまちまちです。駐車代箱を置いているところや、管理人がいるケース。納経所で、納経料と合わせて支払うタイプがあります。
バイクの場合は、駐車場代金がかからないケースも多いです。
約20日間。19泊20日で計算します。
内容 | 小計 | 内訳 |
---|---|---|
宿泊費 | 133,000円 | 7000円×19泊分=133,000円 |
飲食代 | 40,000円 | 2000円×20日分=40000円 |
固定費 | 40,000円 | ※基本的にかかる固定費参照 |
合計 | 213,000円 |
通しうちのツアーで組まれている10日間で試算しています。
内容 | 小計 | 詳細 |
---|---|---|
バスツアー参加料金 | 280,000円〜 | ※関西発着の交通費、宿泊費が含まれた料金。関西発着ツアーが多い阪急交通社のケースで調査。(2016年11月現在) |
固定費 | 40,000円 | ※ツアー参加の場合でも、納経料は含まれていません。 |
飲食代 | 10.000円 | 1000円×10日間=10,000円※朝食、夕食が含まれている場合が多い。昼食は別。 |
総合計 | 420,000円 |
バスツアーで利用する宿泊施設は、ホテルや旅館がほとんど。少なくとも、ビジネスホテル以上のクラスのレベルで設定されています。
注意ポイント
・バスツアー以外は、どの交通手段も1番霊山寺から88番大窪寺までの費用概算です。徳島と最寄りまでの往復交通費などは含まれていません。
・諸雑費などは全て省いて試算しています。雑費などを含めると、概算予算に2〜4万円ほど多く見積もっておくのが賢明です。
コスト面でイチバン安いのは?
上記を総合すると、コスト面で安い順に「交通手段」を並べると、下記のようになります。
車・バイクお遍路>自転車お遍路>バスツアー>歩きお遍路
労力的に最も楽なのは、「バスツアー」ですが、コスト面では割高になります。
コスト重視でお遍路の手法を考える際に、ご参考ください。
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