第2回|四国お遍路区切り打ち|第13番〜19番
初めての四国お遍路から、たったの2週間で再び徳島へ…。
自分でも驚いた。「行きたくなったらまた行こう」とは思ってたけど、こんなに早く行きたくなるなんて。
実は、この間ちょっと精神的にイヤなことがあった。なんだかんだと、心のどこかでいつもこんな気持ちがあった。
「誰かに助けてもらいたい」「ある日突然救いの手がさしのべられて楽になる」という他力本願な気持ち。
そのとき、頼ろう、よりかかろうと思っていた相手が、よりかかれる相手じゃないということに今更ながらに気づいた。
「楽になるために逃げる場所・人」を探していても、他力だけでは救われない。
結局、「自力」も加わらないと、この底なし沼から外に出ることはできない。
四国お遍路に行くことは、私にとって「逃避場所」のひとつでもあるけれど。
他力をあきらめて自力を養う意味があるんじゃないかという予感がしていた。
第13番「大日寺」12:50
あの衝撃の12番焼山寺の記憶が鮮明に残ってる。あのまま続けていたら、すぐここに来たんだな…と想像すると何だか変な気持ち。
ここに到着したのは、お昼を過ぎて13時前くらい。徳島に来るだけで時間がかかるのだから、車お遍路区切り打ちの場合の午前中ロスタイムは仕方がない。
13番「大日寺」。すごく平坦なエリアに戻ってきた。
驚いたのは、幹線道路のすぐ脇にあること。車が結構通る道に面していて、少し離れたところにある駐車場からここまで歩くだけで、なんだか危ない。実際にはこんな感じ(写真)。
車が通り抜けた後にわたると、お寺の門の真正面にカラフルな仏さまが見えた。
「しあわせ観音」。
願いを唱えながらなでると幸せになるという。とりあえず、なでる。
お寺は結構こじんまり。団体の参拝者もいないし、私のほかには数人のお遍路さんだけ。
本堂と大師堂でお経をあげる。いよいよ、2回目の区切り打ちのスタートだ。
第14番「常楽寺」13:30
のどかな山の風景を見ながら、移動。自然の中を走るのは気持ちいい。
ガイドブックには歩きお遍路だと2キロ移動とあるけど、車お遍路だと大回りなんだろうか? 20分くらい走った気がする。不思議。
14番「常楽寺」。
門から中に入ると、地面が凸凹で不思議な感じ。
本を見ると、なんでも「流水岩」というものらしく、本堂も含めて大岩盤の上にたっているからこんな感じに見えるんだとか。これがすごくかっちょいい。このお寺の雰囲気は、なんだかすごくいい感じ。
境内の中にある巨大な木。これも、「アララギの零木」というらしく、あらゆる病気に霊験があるんだって。
この木の上の股の部分に「石のお地蔵さま」がいて『アララギ大師』と呼ばれている。
…ってことは、この日の夜本を読んでて気づいた。
知らなかったので見ず仕舞い。これは残念だった><。余裕があれば、ちゃんと行く前にガイド本を読んだほうが違う面でも楽しめる気がする。
第15番「国分寺」13:50
今度はたったの600m移動。近いにもほどがあるほど近い。全体的に、新しい感じがするお寺。
駐車場も広くて、とめやすい。
広い境内の中にひときわ目を引く新しい建物。改築したばかり?日差しが暑くて、とにかくお経を読んで終了。
お寺を回り始めると、もう何も考えずにひたすら「移動→お経→納経所」を繰り返すから、なんだか段々、どこで何をしていたかを忘れ始める。
考えるのは、ひたすらお寺を回ることだけ。
どうして前に進むのか?とか、そういう余計なことは考えない。
88か寺もあるのに、まだまだ序盤。ただひたすら進むしかないんだもん。
第16番「観音寺」14:35
2キロ移動すると、16番。あっという間に到着。県道に面して建つお寺。それにしても、ここまで全く団体の皆さまに遭遇しない。
人が少ないと、落ち着いて参拝できる。
15番、16番と立て続けに見た感じの印象が残るお寺じゃなく…(失礼)。あまり記憶が残っていない…。
第17番「井戸寺」
また3キロ程度の近距離移動。朱塗りの立派な寺門がある17番「井戸寺」。
なぜか境内の中に車がとまってる…。境内兼駐車場?
なんだか立派な手洗い所で、手を洗う。本堂の奥に見える金ぴかの仏さまがキレイ。
ここは結構ほかのお遍路さんがいて、お経をあげる声がいい感じだった。
ほかのお遍路さんがお経をあげているのを見るのって、なんだか和む。
白衣の後ろ姿から、なんかいいオーラが出てるような気がするから。
四国お遍路をしている理由は人それぞれだけど、何かあるから回ってると思う。
広い意味では、同志といえるような気がする。
ここには、お大師様にゆかりのある井戸がある。
だから井戸寺なのか…と今更気づくんだけど、「面影の井戸」といって、言い伝え?がある。
なんでも、「井戸をのぞいて顔が映れば無病息災、映らなければ3年以内に不幸が訪れる」んですと。
なんつー、こわい井戸やと思うけど、こういう感じの由縁とか言い伝えってよくある。
人を善に導くためにはこういうおどしも必要なのかな。
一応、井戸をのぞいてみたけど映っていたような、映らなかったような微妙。
柵があるから、鮮明にはわからない。気にする人は見ないほうがいいかも。
でも、こういうエピソードのあるお寺って、やっぱり印象に残る。
第18番「恩山寺」16:10
17番から24キロほど移動。徳島市内から離れて、いよいよ南下する。
県道沿いに行くと、小松島市というところに入る。
このあたりから、またお遍路ころがしの2番目の関所になるお寺(20番鶴林寺)が近づいてくる。
駐車場に車を停めると、山の緑でいっぱい。
今まで市内のお寺が続いていたから、また山に戻った感じ。
このお寺は、お大師様の母上のゆかりのお寺で、入り口の横に石碑もたっていた。
なんでもこのお寺で修行していたお大師様を訪ねて、讃岐(香川)から母上が来られたんだけど、当時のお寺は女人禁制で入れない。
そこで、お大師様が17日間にもわたる「女人解禁」の秘法を修めて、母と面会したのだとか。
高野山も昔は女人禁制だったし、昔は女のひとがお寺に入ることさえ、許されないことだったんだなとちょっと歴史を感じたりする。
さて、境内からちょっと階段をのぼると、本堂。
このくらいの階段なら余裕だ!
ここにきて、久しぶりに団体様にあった。
やっぱりご年配の人が多い。
平日だから、当然といえば当然だけど、年配の人がお遍路に行こうと思うきっかけには「終活したい」という気持だろうか。
もしかすると、誰かの弔いだろうか。勝手な推測だけど。
でも、人に興味をもつ(?)という感情って、うつ人には、ちょっとした収穫だと思う。
人と関わりたくないとずっと思っていた固い気持ちが少しはほころびたってことだから。
第19番「立江寺」16:40
4キロ移動。納経所が閉まるのは17時。
到着したのは、16:40ごろ。ぎりぎり。
速攻お経を読んで、納経所へ行く。
今のところ、本堂でも大師堂でも絶対にお経を読んでいる。
「これだけは絶対にやろう」と決めたから、お経を読んでから御朱印をいただくという自分のルールは守りたい。無事、セーフで安心した。
意外とすごく立派なお寺で、五重塔?のような塔まであって、巨大な大師像。
本堂の天井部分に「絵」柄があって、華やかだった。
この日はこれで終了。
体調も心の調子も、絶好調。
お遍路2回目初日の宿 徳島アグネスホテルプラス
またも容量が悪いことに、せっかく南下したのに徳島市内に20キロ近く戻り、徳島駅近くのビジネスホテルに宿泊。
泊まったのは「アグネスホテルプラス」。ビジネスホテルだけど、改装したてでキレイ。
旅館だと気を遣う心配があるけど、そういうのは一切なし。朝食付きで8000円。幸運にも広めのお部屋に入れてくれた。
どこかでラーメンでも食べようかと思ったけど、結局、近くのコンビニでお弁当を買って部屋食。
翌日の朝食は、ホテルの向かいにある「アグネスホテル」でちょっとしたバイキング。まぁまぁおいしかった。コストパフォーマンス的に満足。
でも、すでにもっと進んでいるのに、戻るというのはやっぱりどう考えても容量が悪すぎる。
事前に予約してきたけど、そのときは17番までしか行けないだろうと思ってたので、予想が外れたことになる。事前に計画して、予定通りにものを進めるのはなかなか難しい。
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