第5回|四国お遍路|1日目|第48〜51番
うつが寛解した後、1年ぶりに高知に行ってから「お遍路熱」に火がついたようです。
5回目の区切り打ちお遍路に出たのは、2015年11月。今まで行った季節は、初夏ばかりでしたが、今回は初めての秋の四国です。
続きの48番は松山市内。ついに、「道後温泉」にも近づきます。人生初の道後温泉! 正直かなり楽しみです。
せっかくなので、今回の3泊4日はほかのエリアもすべて温泉のある宿を選びました。
第48番「西林寺」13:40
やっぱり思った以上に、愛媛は遠い。朝7時に出発したものの、300キロ近くあると6時間はかかる。
地図をよく見ると、高知市のほうが距離的には近いんだな…と今更驚いた。
さて、48番。四国自動車道「川内IC」から数キロ。
ようやく到着。天気もよくて、秋晴れ。5回目の区切り打ち最初のお寺だ。
お寺の門。
門の前に橋があるのは珍しい。
なんでも88か寺の中で唯一、石段を下りたところに門があるお寺。
それが理由で、このお寺は「無限地獄」に例えられていて、罪のある人が来ると奈落の底に落ちるんだって。なんつー、怖い伝説や。
なるほど…確かに段差が下がってる。
気を取り直して一礼、お寺に入る。
結構広い。本堂はこんな感じ。新築したばかりなんだろうか。右手の大師堂は木の色が新しい。
それにしてもあまり参拝者に会わない。
気兼ねなく読経。
かなり日差しがきつくて、暑いくらい。南国だからかな?
第49番「浄土寺」14:10
4キロほど移動すると、もう49番についた。近い。
お遍路で行くお寺は、ときどき密集エリアが出現する。
道後温泉に近づく51番までは、松山市内のお寺密集エリアだ。
移動中に「歩きお遍路」のおじさんを2人見た。
通し打ちしてるのかな? 歩きお遍路の人を見るたびに、なぜか胸がキュンとなる。
49番は、山すそにあるお寺だ。
ここに入るときの駐車場が少しわかりにくかった。
県道からキュッと右に折れる感じ。見過ごすと、通り過ぎてしまいそうだ。
入り口の仁王門から中に入ると、ちょっとした階段、登ると、シンプルなつくりの本堂が見える。
でも、1482年に建立って、すごく古いのにある意味モダンな建物。
境内から仁王門のほうを見ると、このお寺の周辺の雰囲気がわかる。
素朴でいい感じ。
大師堂でもお参りして、ご朱印をいただいた。
ちょっと絵になるスポット。
秋っぽくて、いい感じ。
第50番「繁多寺」14:45
49番から4キロほど移動。
県道から、途中住宅街に入って、小学校(?)の横を抜けると50番についた。
ちょうど小さな山の中腹にあって、お寺の隣には貯蔵池がある。
駐車場に車を停めると、目の前はもう「仁王門」。
境内はすごく広くて、入ってすぐ右手にいくと池と松山市内の風景が見れる。
パラパラと人がいるけど、お遍路さんじゃなくて、地元の人みたい。
菩提寺みたいな感じで親しまれてるんだろうか。
この広い境内で、一眼レフのカメラをこっちに向けて撮影しているおじさんがいた。
普通はどう考えても、風景とると思うけど…不思議だな。
立派な本堂。大師堂でも参拝して納経所に行き、お参り終了。
第51番「石手寺」15:20
3キロほど移動すると、51番「石手寺」。
何だか今までの、どのお寺とも違う雰囲気がする。
ガイド本を見ると、松山では「お大師さん」と呼ばれる名刹と書いてあった。
何が違う雰囲気なのかというと…
まず、入り口からして、違うのがひとつ。
仁王門までの間に、屋根付きの商店街が並ぶ。
有名?みたいな「やきもち」やさんもここにある。
規模も相当でかい。
でも、一番違うと感じたのは、「意見を主張しているお寺」な点。
普通、寺院というのは政教分離?というか。
あまり政治的なことは主張しない印象なのに、ここは全然違う。
かなり強く主張する意見を掲げている。
仁王門に立てかけられている看板もそうだし、
境内に入るとあちこちに同じようなものがある。
訪れた人に無料配布しているパンフもあった。
強く主張しているのは、憲法9条を捨ててはいけないということ。
そして、自衛隊の海外派遣を可能にした法律(集団的自衛権)にも強く反対している。
世界平和と戦争反対を強く強くメッセージで伝えていた。
私も戦争を可能にする法律には反対だけど、公の立場にいるお寺が、ここまで掲げているのは驚きだった。
平和への強い祈り。
今の風潮への、強い憤り。
何だかいろいろ考えさせられるお寺だった。
本堂。
なぜか、横からしか撮影してない。
というのも、この本堂の横にある洞窟に入ったんだけど、
あまりに怖い思いをして、途中から写真どころじゃなくなった。
「卒率天洞」という洞窟なんだけど…
ここ、入り口。
お賽銭箱に100円入れて入場。
なぜか、私以外に誰もおらず、しかも真っ暗。
なんと全長150mもある道を延々と歩いた。
足元には、お地蔵さんが無数に並び、横の壁にもいろいろなものが…。
段々怖くなってきて戻りたくなったけど、後ろを振り返るのも怖くて。
明かりが見える出口を目指した。
出口は。。。なんと普通の道路。
ここから、お寺の中に戻るのは大変そう。
ということは、来た道を戻るしかなくて、ほとんど半泣き状態で戻った。
ほんま…怖すぎ。
元来た道の横に、また道があって、そこを通ると洞窟内のお堂になっていた。
そこで参拝のおじさんにあったけど、もうとにかく怖くて仕方ない。
やっと出たら、大師堂の裏に出た。
お寺にきて、こんな怖い思いをするとは、、、。
これは、女子一人にはキツイ気がする。
お寺にある三重塔。
衛門三郎の石。
このお寺には、お遍路道中で有名な「衛門三郎」の生まれ変わりの赤ん坊が、手にもっていた石の逸話がある。「石手寺」という名前も、この話が由来。
それにしても、今までのお遍路のお寺の中で一番怖かった。
どっと疲れて、この先に進むのをやめた。
もう、さっさと道後温泉に行ってしまおう。
今日の宿
道後 やや
道後温泉といえば、高いお宿ばかりだけど、ここのホテルは新しくてキレイな上に安い。
この日の宿泊代、朝食付きで8500円税込み。
その代わり、ホテル内に温泉がないんだけど、道後温泉本館や椿の湯の外湯に入りに行く。
ホテルのフロントで、いろいろな種類の中からタオルが選べて(しかも高級今治タオルばかり)、水道の蛇口みたいなとこからポンジュースが出てくる。
部屋は超狭いけど、和モダンでキレイ。女子一人旅にはうってつけだと思う。
道後温泉本館に行ってみた。感想は…一度行ったらもういいかな....(失礼)
単純泉のせいか、入った感じですぐわかるような温泉感はない。お風呂が深いのは珍しかった。風情を楽しむ感じ。それにしても、入浴客が多すぎて落ち着かなかった。一人旅のせいかな。
2Fの桟敷席付きにしたけど、あまり滞在せずに出てしまった。1Fだけにしとけばよかったかも。
この日の昼食は、来る途中のSAで讃岐うどん。夜は、道後温泉本館近くの居酒屋。
鯛飯定食とビール。かなりおいしかった。ここは大正解。
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