5回目のお遍路|4日目|66〜69番
この日の朝も6時起床。
まず、温泉へ!一番乗り。しばし、貸し切り。
出るころに、4人くらいドドッとお風呂に入ってきた。
朝食はバイキング。和洋のおかず、讃岐うどん、野菜類。ご飯、パン。
いろいろあったけど、何だか食べたいと思うものがあまりなかった。
贅沢なお話だけど、今回は1泊目の朝ごはんのインパクトがありすぎて、思わず比較してしまう。
話が飛ぶかもしれないけれど、人間というのは、いろいろなものを比較して生きていく生き物です。
何かひとつが基準になって、それに対してのお値段とかサービスを比較してしまう。
これを「欲」というのだろうか。
比較の話は、飛躍すると「うつ」のときの迷路にも、実は通じるものがある。
「誰かと比べて、自分はダメだ」という思考。
他人と比べるだけではなくて、昔の自分とも比較する。
「昔の自分はもっといけてたのに、今の自分はダメだ」。
こうなると、完全に「自分」というものを否定して、受け入れることができない。
この受け入れ拒否状態が、長引くうつ状態を生み出す。
うつから脱却するためには、自分を認める必要がある。
いま、ダメだと思う自分。いけてないと思う自分。
その何もかも、受け入れることができたときに、初めてうつの出口が見つかる。
そして、完璧な自分なんてものはなく、最後の最後まで悪あがきするのが人間なんだっていう、気づきのようなもの。
「あきらめ」に似てるかもしれないけど、それとは少し違っていて、人はそういう生き物なんだという事実を理解するというほうが正しい気がする。
お遍路をしているけれど、悟りの境地なるものには、自分の場合、きっと何度回っても達しないと実は思ってる。
でも、「自分はそういう人間だ」ってことを受け入れることがお遍路なんじゃないかな。
うつ人は、自分を受け入れることができなくて、迷いに迷ってる状態。だから、単純に「こういうダメな自分でいいわ。もう」と逆に開き直ることで、1歩進めるのじゃないかと思うわけです。
第66番「雲辺寺」9:37
またも朝ドラを見てから、昨日、すっ飛ばした雲辺寺へ!
ロープウェーに乗らねばならないお寺って、徳島の太龍寺以来だわ。
9:05到着。
天気、悪―い。せっかく、山なのに残念。
晴れてたら、海も空も青く見えてキレイだったろうなと思いながら、写真を撮った。
いざ、ロープウェイに乗る。
20分に1本だから、少し待った。
駐車場に車はいっぱい停まっていたけど、同乗したお遍路さんは一人。
若い兄ちゃんだけだった。
出発すると、結構なスピードで一気にぐんぐん昇っていく。
山、瀬戸内海、街並み…。
頂上駅についたら、見える山々に雲海。
ロープウェイがなかったら、大変なお遍路ころがしスポットだったに違いない。
駅からお寺へはすぐ。
余談だけど、ちょうどここは香川県と徳島県の県境がある。
雲辺寺は実は住所上では、徳島県なんだ。面白いね。
太龍寺のときは、いきなり登り階段だったけど、ここは下りになった。
このくだり道の右側には、ずらりと羅鑑像が並んでる。
すごくリアル。人間の喜怒哀楽を表現してるものばかり。
下りきると、少し広場があって、お寺の石碑?と仁王門がある。
まだ新しくて、立派な門。新しい。
さっきの羅漢像もそうだけど、いろいろな信者さんのご寄進で作られたみたい。
山のお寺には、とくに、こういうのが多い気がする。
この門から左に入ると、本堂。
中は「撮影禁止」って書いてあったので、横からだけ撮った。
本堂で参拝。歩きお遍路で登ってきた女性のお遍路さんに会った。
しゃべってないけど、この後行った納経所でお寺の人と話してるのをまた聞きした。
すごいな、、、ここまで歩きで登るなんて。
本堂から大師堂へは、少し登りがある。
すごく段差の低い階段。何だかかえって、つんのめってしまう。
ちょうど紅葉の時期で、もう少ししたらかなりキレイだと思う。
大師堂。
納経所は、さっきの階段を下ったところにある。また戻って御朱印を頂いた。
このお寺の少し上の山に、展望台があるみたいなんだけど…。昇り坂で疲れて、パスした。
もと来た道を戻って、ロープウェイで帰る。帰りに見えた雲海のほうが、来た時よりキレイだった。
第67番「大興寺」10:50
66番から約10キロ。
ロープウェイ駅のある山の中腹から、ミカン畑が広がる山道を下る。
次の67番は、山裾にあるお寺。
この山道を下っているときに、車お遍路をしているご夫婦の車に、後ろからあおられた。
狭い道だから、譲れるスポットが少なくてしばらくその状態。
お遍路をしているくせに、前の車を追い立てる心の持ちようって、どうなの??と腹立たしく思った。
でも、よーく考えると、「人間というのはそういうものだ」って割り切ってるつもりなのに割り切れていない自分にも気づいた。
人間って、ほんとに難しい。
67番大興寺、到着。
仁王門をくぐると、少しスペースがあるけど、すぐにこんな階段になる。
登り切ると、正面に本堂。
この本堂が面白くて、本堂の左はしに納経所がある。
郵便局の窓口みたいな感じで、窓があって、人がいるんですよね。
ここに納経張を出して御朱印を頂くわけです。
大師堂。
ここに、おみくじがあって、1枚引いた。100円だったと思う。
まぁまぁいい感じの内容でよかった。
68番「神恵院」12:05
67番から海方向に2キロ移動すると、68番。
実は、この68番は、次の69番と隣り合わせに建っている。
1か所で2札所行けてしまう、お遍路中唯一の場所。
入り口の仁王門は共通。
仁王門の向こうは、こんな感じで、階段をのぼると2つの札所がある。
68番で驚くのは、このモダンな本堂。
右が本堂の入り口で、左が大師堂。
コンクリート打ちっぱなしスタイルの入り口って、不思議。
登り切ると、こんなモダンな本堂が現れる。
大師堂のほうは普通。ここでずっと読経しているおじさんがいた。
お遍路さんじゃなくて、この辺の人みたい。
69番「観音寺」12:30
68番を終えると、横にある69番観音寺へ。
地名にもなってるお寺。きっと由緒があるに違いない。
本堂。
大師堂の建物も朱塗りで本堂とよく似ている。
納経所は、2つのお寺の間にあって、修行中?の若いお坊さんが出てきて、達筆な御朱印をくれた。
あと…このお寺の裏山には、有名な「銭型砂絵」というものが見れる展望台があって、
この階段をのぼった先にそれがある。
この登りが結構きつくて、ここからさらに行くと車道に出るんだけど。。。
それも、かなりの上り坂。
車で来る人のほうが多くて、駐車場に戻ってから行けばよかったかもと少し後悔。
でも、車お遍路で既に楽してるんだからと頑張った。
そこから見える光景。
江戸時代に、個々の領民が藩主を喜ばせるために、砂の上に描いたお金の絵。
「寛永通宝」って描いてる。
これを見た人は、この先お金に困らないんだって。
すごいな。
この場所には、お遍路さんはいなくて、家族連れの観光客ばかりだった。
白衣を着ていると、完全に浮いていたけど、まぁいいや。
このとき、13:00。
70番は昨日行ったので、これで、観音寺周辺の札所は全部終了。
71番からは、いよいよ善通寺周辺に入る。
お大師様の生まれた土地だ。次は、春先。
次回のお遍路で「結願」を目指します。
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